[ 80年代バックパッカーの風景]
鉄道旅行の愉しみ
(その7 )鉄道切符
鉄道パスを持たない旅では乗車の度に切符を買い求めることになります。懐かし物シリーズで、切符の現物写真を掲載します。
まずは、味気ないやつですが、駅の窓口で普通に買う切符から。
「各国の列車」のとき、適当な写真を見つけられなかったデンマーク国鉄の
ロゴが見えます。なお、CSとあるのはCENTRAL STATION(中央駅)の略。
順に、 ホエク・ヴァン・ホランド ⇒ ロッテルダム
ロッテルダム ⇒ デン・ハーグ
デン・ハーグ ⇒ アムステルダム のもの。
実はこれ、全て、イギリスからドーヴァー海峡を夜行フェリーで渡って
ヨーロッパ大陸に初めて足を踏み入れた同じ日の移動で、
効率の悪い切符の買い方は、宿泊地が定まらなくてうろうろした為。
工業都市ロッテルダムを嫌ってデン・ハーグで泊ろうと移動、
ところがその雰囲気の悪さに驚き、首都アムステルダムに逃げたのですが、
あっちはもっと雰囲気が悪かったという成り行き。
鉄道パスを使っていたとしたら記録に残らなかった筈の当時の迷いが、
無駄な切符の買い方に残っていました。
国際列車などの長距離の切符になるとカバーがついて立派になります。下はコペンハーゲンで買い求めたナルビクまでの往復切符。
表紙はデンマーク国鉄のものですが、スウェーデンのストックホルムを経由してノルウェーのナルビクまで行きます。
986DKK(デンマーク・クローネ〉という料金が見えますが、往復4400kmの移動が、2万円程度とは物価高の北欧にあっては優秀。
表紙の3か国語表記は、上からデンマーク語、ドイツ語、フランス語のようですが、英語は無いんですね。
下に見える黄色の切符はRENFE(スペイン国鉄)のものです。
さてここからは、珍しいものシリーズで、手作り感あふれる東欧の長距離切符を2枚。
今は分裂してしまったチェコスロバキアのものです。
下のカバー付のチケットと一緒に、座席指定券か、
昔の国鉄であったような「硬券」を渡された。
東欧は言葉でも苦労させられるが、
鉄道のことであれば、何となく見当がつきます。
硬券の2段書きの下はドイツ語であるような気がするが、
そうだとすると文化や経済の交流の現実は、
ソ連より西の方が近かったということでしょうか。
現物のチケットの手触りは、手漉きとまでは言いませんが、
工業化初期段階といった感じでいかにも「東」です。
もうひとつは、ブダペストのIBUSZで購入した
ブダペスト⇒ザグレブ⇒フランクフルトの国際切符。
窓口をたらいまわしにされ、やっと話が通じれば
後ろに待つ人の列を作りつつ、
長時間かけてこの手書きのチケットが完成しました。
やはりカバーで綴じられたうちの一枚ですが、
全部で4枚、全て手書きです。
ハンガリー、ユーゴスラビア、オーストリア、
ドイツと4カ国に亘る行程の切符ですが、
こんな調子で、ちゃんと国際間決済が
出来ているのかしらんと思ったことでした。
見えている駅ではリュブリャーナしか分かりません
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