リュブリャーナ

(データ : 1988年12月)

◇スロベニアの首都

私が訪れたユーゴ時代、リュブリャーナは一地方都市であったリュブリャーナは、その後ユーゴが戦の混乱を経て分裂、現在はスロベニアの首都となっています。当時もスロベニアではスロベニアの、クロアチアではクロアチアの旗やロゴをよく目にしたので、既に独立の機運は高まっていたのかも知れません。

20年前のリュブリャーナ訪問は手探りのような感じであったが、今は「歩き方」に詳しい情報が載っている。ざっと目を通したところ、街の様子に大きな変化はないようであるが、「聖夜」に書いた「ホテル・ベルビュウ」の名は(一時期紹介されていたはずだが)消えていた。

スロベニアはイタリアやオーストリアと国境を接し、リュブリャーナの雰囲気も西ヨーロッパに近い。現在この国はEUの一部を構成し、2007年にはユーロを導入しております。

 

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冬のリュブリャーナ

 

◇町の作り

首都と言ってもリュブリャーナの町のサイズは大きいものではなく、充分徒歩で回れる。新市街と旧市街を分けるのがリュブリャニツア川で、鉄道駅のある側の新市街は道は概ね碁盤の目状に走っている。城のある側が旧市街で、これは新市街側からフランシスコ教会の前にあるリュブリャーナのシンボル「三本橋」を渡る。こちら側には教会や市場がある。

町の西側に広がるティボリ公園(冬場は真っ白な世界であった)の近くに3つの博物館、美術館がかたまって立つが、展示はやや物足りない感じであった。

◇アクセス

地図を見るとイタリアのトリエステがすぐ近くであるが、イタリア方面は一日2往復のみ。この列車はネツとリュブリャーナを4時間余りで結んでいる。

オーストリア方面はもう少し便数が多い。ザルツブルやミュンヘンあたりから夜行に乗ってしまうのが楽かも知れない。「聖夜」に書いたドイツ行きの夜行列車も嬉しいことに同じ時間帯に健在である。これらの列車はリュブリャーナは通過駅で、乗り継げば隣国クロアチアの首都ザグレブと2時間半の距離である。

 

◇ポストイナ鍾乳洞

ヨーロッパ最大の鍾乳洞と聞いて出かけて行った。リュブリャーナからバスに乗ること一時間。霧に包まれたリュブリャーナを抜けると嘘のような快晴(下の写真)。バス停はポストイナの町なか迄。鍾乳洞入口まで15分ほど歩くことになる。

見学は、まずはトロッコ列車で2km地底を走って、そこから言語別にグループに分かれ、案内人の説明を聞きながら進む。無数の“スパゲッティ”の天井の間、“中国の老人”、“ラクダに乗ったアラブ男”など、鍾乳石を何かに例えるのは同じでも、例え方に東西のちがいが表れて面白い。入場料は私の時は62,900ディナール(レストランで2,3回食べられる)、現在でも「歩き方」最新刊によると18ユーロと立派な値段だが、その価値のあるアトラクションであった。なお、見学時間が決まっているので事前に調べておく必要がある。(冬期など一日3回のみ)

リュブリャーナへの帰途、バスが霧のたまる低地に突っ込んでゆく様子がよく分かった。駅の隣のバスターミナルに降り立つと、元通りの太陽の気配のない、寒くて暗い世界なのでありました。

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快晴のポストイナ

 

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