ドナウの真珠  ブダペスト  

(データ:1988年12月)

ドナウ河と王宮の丘

 

◇ブダペストの印象

王宮の丘の古い道などを歩き回っていて強く感じたのであるが、この町のつくりはプラハに良く似ている。町の真ん中を有名な川が流れ、方や平坦な町でこれが中心部になっており、もう一方が丘である。いくつかの橋がかかり、橋を渡って坂道を登ると旧王宮の丘があって聖堂もある。

しかしこういった共通点を一つ一つ比べてみると全てにおいてブダペストはプラハに劣る感じだ。例えばプラハのカレル橋の完璧なまでの美しさは、くさり橋(上の写真)では比べものにならない。ついでに言うとビールの旨さや食べ物の安さもプラハが勝る。さらに東欧旅行の目的の一つであった社会主義国的イメージもここでは薄い。ベルリンの壁崩壊前であったが、マクドナルドの進出した繁華街の空気は“西”のものであった。

 

◇ハンガリー名物グヤーシュのことなど

どこかで食べたかったのだが、私が入った2,3の食堂クラスのレストランでは、いずれもうちはやってないということであった。結局、繁華街にあったその名も“パプリカ”というチェーンらしいファーストフード店でまがいものを頂いたのでありました。

むしろ印象に残ったのは、見た目どう見ても4つ切りにしたトマトなのだが色が黄色というもの。何だろうとかじってみて初めそうでもなかったのだが、しばらくして強烈な辛さがやってきた。私は辛さには強い方なのだが、ビールをがぶ飲みしても尚汗が流れ続けました。パプリカの一種だと思うが、お国が違えば見たこともない食べ物に遭遇します。

 

◇国営旅行社IBUSZについて

列が一向に進まず埒があかない、申し込みと受け取りの窓口が違っていて列に並び直しとなった、「その件は駅のIBUSZでないと取り扱わない」とたらい回しにされた、という経験を一回ずつしましたが、初めからそういうものだと割り切っていたのでそう腹も立ちませんでした。時間に余裕を持って行動することが最大のポイント。色々調べてくれたりして応対は案外実質的で親切でした。

 

◇宿について

IBUSZを通さなくても問題は無く、私は町なかで見つけました。この国は民宿が盛んなようで、列車を降りるなり民宿の客引きに声をかけられますが、安いにしてもああいうのは当たり外れがありそうで、利用するのはこの国に慣れて、状況が見えるようになってからだなと思われました。

 

◇ブラックマーケットについて

ユーロ圏内に組み込まれて、今となっては昔話ですが参考までに。私は2日の滞在で2回遭遇しました。一度はカフェで、近くの席でカード遊びをしていた男たちがお決まりのセリフ“Change money?” 。2度目は宿泊していたホテルで朝食のときウエイターが小声で話しかけてきました。

アクセス

 ウィーンから3時間というのが最も手っ取り早い。ブダペストはkeleti(東)駅に到着する。

町を把握するためにKeleti駅からドナウ河を目指して歩く。ただドナウ河まで3km近くあるので歩くのが嫌な人はメトロへ。メトロはKeletiから3駅目のDeak F. Ter 駅が中心部に近く何かと便利。

 

 

マーチャーシ教会

尖塔がウィーンの聖シュテファン寺院によく似ている

 

 

◇ブダペストのメトロ

ヨーロッパ大陸最古の地下鉄で、乗るだけで話のタネ的価値があるかも知れない。3路線あるうち、最古のものがM1で19世紀の建設。私はKeleti―Deak F Ter間を行くM2しか乗る機会がありませんでしたが、それでも幅広で木製かと一瞬思わせる古めかしさには前世紀を感じました。3路線は上記のDeak F Terで交わっています。

 

漁夫の砦

 

 

◇外部サイト

http://budapest.japanese-guide.com/

ブダペストの一般情報のほか写真など

 

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