トラブル事例集

 トラブル対策について、私のやっている方法を「治安・トラブル対策」に書いていた訳ですが、今回(2008年4月)、今までに経験しないような出来事が二つわが身に生じたので、他山の石として頂くべくここに書き残す次第。今振り返ってみればいずれも大したことではないのですが、その時は少なからずショックを受けました。

 

【事例1】 サラマンカのガキスリ

 

日時

2008年4月11日18時

場所

サラマンカ(スペイン) マヨール通り

状況

賑やかな通りを歩いていたところ、人ごみの中から現れた中学生くらいの男女3,4名のグループの一人に「今何時ですか?」と尋ねられる。思わずポケットから旅行用の時計(私は腕時計を持っていない)を取り出して、「6時だよ」と答えてやると、グループの男女が声を合わせて「サンキュー!」。その尋ね方、答え方に嫌な感じがあったのだが、それがスリだという考えに結びついたのは10mも歩いた後。はっと振り返ったが、人ごみに紛れてもう分からない。

近くの建物の中に入り、急いでポケットの中や貴重品袋を点検したが、幸い盗られたものはなかった。

感想

時計を取り出したとき、私の体をかすめるように通り抜けて行った同じくらいの年頃の二人の男には気付いていて、一瞬妙だなと感じたものの、その場で反応することができなかった。

考えてみれば、町で遊ぶ中学生が時間を知るのにわざわざ英語で外人に尋ねるはずもなく、はいよと時間を教えた自分の間抜け振りが情けない。もうひとつショックを受けたのは自分が狙われる対象になったという事実で、焼き回ったかと落ち込みました。

対策

 間抜けな日本人を笑っているかも知れないが、収穫は無かった訳で、彼らの勝利ではない。つまり、「貴重品は貴重品袋、当座の現金はジーンズの前ポケット」という基本動作は有効なのでした。

 またスリは、片方で注意を引いておいて他方から盗る、こうしたチームプレイが多いようだ。異変を感じたら、持ち物を守ったリ、急いでその場を離れるなど、とにかく何らかの反応ができるようでありたい。(私の反省)

 

【事例2】 モン・サン・ミシェルのレストラン

 

日時

2008年4月18日14時

場所

モン・サン・ミシェル(フランス) グラン・ル

状況

土産物屋やレストランの両側に並ぶグラン・ルで、子羊(名物の一つ)のローストと魚のスープのムニュ(定食)を18ユーロで出す店を見付けて入る。店内は立て込んでおり、ざわざわした中食事を済ませる。出された請求を見てびっくり。ハーフボトルの赤ワインの値段が20ユーロとある。

抗議すれば何とかなった可能性はある。しかし、こういうのを黙って払うから日本人は組み易しと見られるのだと少しだけ良心が痛んだが、争えばますます不快な思いをするだけなのでそのまま支払って店を出た。

感想

ヨーロッパのレストランの店員は、かなり庶民的な店であっても、それなりの職業意識を持って働いている。それに比べるとこの店の店員は、アルバイト的な感じ、つまり日本のファミレスに入ったような感じであった。ヨーロッパでレストランに入ることは、食事だけでない異文化を感じる機会だとここ数年思うようになってきているが、ここはただ出されたものを食べるだけの場所。ハーフボトル20ユーロもひどいが、もともとオムレツ(名物)に35ユーロ(5000円)要求する場所である。観光地はやはり観光地、旅人は長居してはいけないのだ、というのが私の総括。

とはいえ、(この店だけでなく)ここまであからさまな場所はヨーロッパでは殆ど思いつかない。この店では、まだ食べているのに伝票をテーブルに置かれたのには驚かされました。(普通は考えられない)

対策

 注文する前によく値段を確認しよう、というのが「歩き方」を始めとするガイドブックの注意であるが、いちいちそんなことはやっていられない、というのが私の実感。実際、その後入ったレストランでも、ハウスワインを値段の確認せずに注文している。ものには相場というものがあるからである。

そういえば、そのレストランで、デザート(ムニュの中に含まれる)の注文を取りに来たウェイター氏に、デザートはいいからカフェをとお願いしたら、氏は「ウイ、アン・カフェ・ア・ラ・プラス」。初めてこの言い方を聞いた時、英語でいう“in the place”のことだろうと理解し、実際、料金が加算されることはなかった。ところが、この同じセリフをモン・サン・ミシェルのレストランでも聞いたのだが、こちらはしっかりカフェ代も請求されていたのであった。

対策は、観光地では観光に専念すること、これに尽きます。

 

0 097.jpg 観光地 モン・サン・ミシェル

 

このページは、この先私がへまをするごとに書き足される予定です。そうならぬよう祈りつつ…

 

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