港町 ハンブルグ

(データ:1983年12月)

運河と倉庫

 

◇港町ハンブルグ

  大都会しかも商業都市であり、旧市街を持たない。これがフランクフルトなら見向きもしないが、ハンブルグは港町特有の空気があって魅力的である。古い町並みが残るダイヒ通りから南に出た一帯、倉庫など立ち並び独特の景観である。アムステルダムとも違うし、コペンハーゲンとも違う。ハンブルグにいて私が強く感じたのは、我が“港ヨコハマ”なのでありました。

ちなみに当時の「歩き方」には、『2度とも冬(12月と2月)に訪れたせいか、霧深い港の印象だ。川に沿って、波止場はえんえんと長くつづき、船と事務所のような長い建物が霧のなかに浮かんでいる。』と記されている。

 

私のハンブルグ訪問には案内人がいて、それは前年の夏ノルウェーのフィヨルドの村フロムで一緒だったSabineなのであったが、スパイスを扱う倉庫の中とか、アーティストの作業場とか、地元の強みか、彼女が笑顔で交渉すれば面白いように通ってしまうのである。この港町の内部まで入り込んで堪能するという、一人だったら思いも寄らない経験が出来たのは幸運であった。

 

◇冬の寒さに要注意

ヨーロッパは温暖といってもハンブルグまで来れば緯度が相当に高い。上の写真で運河を白く埋め尽くしているのは氷片です。ドイツ人がイタリアの太陽に憧れるのも分かろうというもの。

◇アクセス

ケルン、フランクフルトからそれぞれ4時間、ベルリンから2時間など、北ドイツの中心都市であるから各方面に便がある。

またハンブルグはユトランド半島(デンマーク)の付け根に位置しており北欧への出入り口となる。コペンハーゲンまで4時間半。(昔話:このルートにかつてロンドン/パリとストックホルムを往復するNORD EXPRESS(北急行)がありました。ロンドンを朝出て、ストックホルムに着くのは翌日の夜という壮大な国際列車でしたが今はなくなってしまったようです。)

 

◇若者の町ハンブルグ

ビートルズを初めて認めたのがハンブルグの若者たちであったようにハンブルグには若者文化を感じる。左記のSabineは3人の若者とフラットを借りて共同生活していた。哲学を学びにスウェーデンから来たヒッピー然とした風貌の学生グッナ、経済学を学んでいるというイラン出身の女子学生スーザン。(もう一人はクリスマス帰省中で会えなかったのだが、彼の部屋が空いているということで彼らのフラットに二晩泊まることが出来たのである。)

彼らが正に一断面であって、彼らのような若者たちが大勢ハンブルグに集まってきてハンブルグ文化を作っているのであると思われた。彼らとのやり取りは日本の同質の学生社会しか知らない私にはとても刺激的で、地球の裏側にはこんな世界があるのだと思ったことでした。

 

外アルスター湖

凍った湖面に夕陽が映える 

水鳥がスケートしていました

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