エストレモス
※(2014年5月追記) 今回、ポルタレグレからエヴォラに向かったバスは、途中エストレモスに停車。バスターミナルはやはりロシオ広場でなく、かつて鉄道駅があった場所。勿論現在は線路もなければ、アズレージョが見事なあの駅舎もありません。残念ながら下の一枚は貴重な記録写真となってしまいました。
(データ:1995年12月)
(恐らく今はない)エストレモス駅 人気も列車が来る気配もなくローカル駅の情緒たっぷり トイレを借りたが立派な便器が往時を偲ばせました (この件詳しくは「ポルトガルについて」にて) 長屋(?)の並ぶ小路 戸口と戸口の間隔は5,6歩程度。しかも2階部分にも また戸口があるからかなり小さな住居と思われる トイレは男用女用と分かれて道の端にひとつずつ 水道も外で、おじいさんが洗濯物の入ったたらいに水を入れていた 小路の半ばに小さなキリストの像 ◇宿について 私が泊まったロシオ広場からすぐのCarvalhoは、3000esc(2千円強)。この宿は、現在の「歩き方」の地図に載っている(本文中の紹介はなし)。 また近くに i のおねえさんお勧めのレストランARCO-IRISがあって、赤ワイン一本+うさぎ肉の煮込みをメインとする一通りで1200円ほどであった。ポルトガル料理といえば魚介だが、内陸部では肉類もよく食べられているようだ。 |
◇アクセス かつては鉄道が来ていたが、現在は交通手段はバスのみ。リスボンから2〜3時間。エルヴァスやエヴォラからも便がある。バスターミナルは以前、下の町の中心ロシオ広場であったが、現在は廃線となった旧鉄道駅に移動しているようだ。 ◇アルト・アレンテージョ地方の勧め ポルトガルというとナザレに代表される漁村のイメージ、あるいはリスボンやポルトに残る海洋国家のイメージ、いずれにしても大西洋とセットの光景が思い浮かぶ。もちろんそれはその通りで、それがポルトガルの魅力なのであるが、一方内陸部、リスボンの東方になるアルト・アレンテージョ地方も捨て難い。 「ポルトガルへの道」で少し触れたが、この地域はスペインの辺境エストレマドゥーラ地方と国境線を挟んで背中合わせの位置にある。両者ともに観光化から取り残された素朴な町や村、田園風景が大変よろしい。コルク畑やオリーブ畑の中の田舎道をバスに揺られていると桃源郷に来たようでぼんやりしてくる。 ◇エストレモスの勧め 私はアレンテージョ地方で、エルヴァス、エヴォラ、エストレモスと三つの町を訪れたが、どれか一つ選ぶならこのエストレモスを推したい。観光面ではさしたる見所はないが、この地方の素朴な空気が最もよく感じられる。町は上の町と下の町の二つに分かれるが、いずれも数百mも歩けば抜けてしまう小さな町である。 上の町のDireito通りが良い。白壁の続く、貧しいというか生活感あふれる小道である。道端で炭火を起こして鶏を焼いている人がいたり、長屋のような住居が並ぶ脇道が見られたり(左の写真)。 また、通りの途中に今はポウサーダになっている城があって、塔からの眺めは、四方十数キロ、自分が一番高い位置に立っていることを実感して爽快。現在の「歩き方」に“上がれるのは宿泊客のみ”とあるが、私のときはレセプションで頼んだら行かせてくれた。 町外れから上の町を見る ポルトガルの町はどこに行っても洗濯物が翻る 中央に見えるのが賀城と塔 |