(データ:1984年1月、1996年1月)
ジェロニモス修道院(べレン地区) ◇べレン地区 テージョ河に面するコルメシオ広場から海岸道路沿いを行く。アルファマの展望台のサンジョルジェ城から結構遠くに見える4月25日橋よりさらに向こうなので、市電かバスを利用することになるが海沿い一本道なので分かりやすい。 べレンの塔や発見のモニュメントなどいくつかの見所があるが、何といってもジェロニモス修道院が良い。大航海時代の空気を今にとどめる建造物である。今はイベリア半島の隅にうずくまるばかりのこの国の、かつての栄光の時代を実感できて感慨深い。 ◇グルベンキアン美術館 市北部ではグルベンキアン美術館を推奨。多彩というより系統のない金持ちのコレクションで、気楽に見て回れる。オリエント物、印象派の絵、金持ちの持ち物らしい調度品や装飾品など。浮世絵などを展示するコーナーもあって、こんなユーラシア大陸の西の果てで東海道五十三次を眺めるのは格別の気分です。 ◇バイシャ地区―サンタ・アポロニア駅間 アルファマのテージョ河方向の下にあたる。何があるというわけではないのだが、アルファマの空気が流れ出てきているような下町の感じが良い。リスボンには昭和の東京を感じるが、それは例えばこの一帯を歩いている時にしみじみ感じるのである。(右の写真はこの地区で見かけたアパート) |
◇バイオ・アルト バイシャ地区を挟んでアルファマと向かい合うバイオ・アルトは、アルファマ方面の眺めがよい。(位置関係は「町の組み立て」ご参照)町の雰囲気はアルファマのようにどこでも写真を撮りたくなるごちゃごちゃした感じはなく平凡であるが、その分自然体の良さがあるかも知れない。地元の人で賑わうレストランがいくつもあるし、ファドレストランがあるのもこちら。ただ、場所によっては道が汚れている、ゴミの異臭が漂うといった何だか夜の街を朝歩くような感じがあって観光向きとはいえない面もある。 どこからでも坂を上がっていけばいいのであるが、私のお勧めはロシオ駅向かって左側のドゥケの階段。上りきったところはサン・ロケ教会前の広場である。 |