食について(実践編PARTU)

 

PARTUでは、レストラン以外の場面、特に食料品店での食材調達について書こうと思うのですが、

「実践」的であるべく、ここでは「使えるイタリア語」を合わせて紹介したいと思います。

 

◇ポルケッタを買う

イタリアで旅行中、土曜日の午前中など、町の中心の広場で青空市が立っているのに出くわすことがある。このとき衣料品や野菜を売る屋台が並ぶ中で、ポルケッタ屋が出ているはずなのでので、是非トライしてみて下さい。ポルケッタというのはパニーノに丸焼きにした豚の肉や野菜を挟んで食べるもので、豚肉の油気と塩コショウの組み合わせは絶品。(食の話ですからPARTTで断っておいたように好みの差については勘弁)店の前のガラスケースの中にどーんと豚の丸焼きが横たわっていて、注文を受けたおやじが肉を切り落とす。1個2ユーロ。結構腹持ちがいいので、これで昼食とすることも可。

 

陰にしてしまったが、ポルケッタ屋のおやじがポルケッタを作製中(コルトーナにて)

 

さて、ここでものを買う時のイタリア語基本パターン

「ヴォレイ 〜 ペルファヴォーレ」 ( 〜 を下さい。 英語では、Iwant 〜 please.に相当。)

  例)これを下さい ⇒ ヴォレイ クエスト(これ)ペルファヴォーレ

    ポルケッタをひとつ下さい ⇒ ヴォレイ ウナ(ひとつの)ポルケッタ ペルファヴォーレ 

 

   このワンパターンで全部いける。欲しいものの名前を 〜 のところに入れればよい。その名が分からない時は、それを指しながら「クエスト(これ)」で代用する要領。文法は気にしない。大事なのは1、2、3(ウノ、ドゥエ、トレ)のような具体的な内容を持つ単語である。二つ欲しいなら(文法的には ヴォレイ ドゥエ ポルケッテ ペルファヴォーレ が正しいのだろうが)、上の文を伝えた後、指を2本立ててドゥエ!と叫べば事足りる。イタリア語について」で申し上げたごとく、大切なのはコミュニケーション。人に会えばボンジョルノ、モノを頼む時はペルファヴォーレ、何かしてもらったらグラツィエである。 

 

 

では、この基本パターンを握って食料品店へ

 

◇食料品店(negozio di alimentari)について

   イタリアの町を歩いていて、文化というか暮らしの違いを感じさせられるのは何といってもバールの存在であるが、この「食料品店」と呼ばれる商店も日本にないものの一つである。道に面した小規模な店で、入っていくと片側にハムやチーズ、惣菜などが置かれたガラスケースがあってその向こうに店主がいる。反対側の壁は棚でワインが並んでいる。売っているのは加工された食品で、野菜、果物などは置いていない。私は夕食用にハム、生ハム、チーズ、サラダ、ワイン、ミネラルウォーターなどを購入する。旅行者には便利な店である。

 

◇私のお勧めパターン

  初めてヨーロッパを訪れたとき日本と全然違うと驚いたのが、牛乳、パン、バターの味。今は多少贅沢になってハム、チーズ類を食べることが旅の楽しみとなっている。ハムもチーズも大きな塊のままガラスケースの中にころがっていて、客の求めに応じて分量を切り分ける。味を言葉で表すことが出来ないのが残念だが、非常にお手軽で、しかも強烈な異文化体験ができるので是非お試しあれ。

negozio di alimentarIの写真が無いので、代わりにもう一枚ポルケッタ屋(ヴォルテッラにて)

 

注文用イタリア語

まず店に入るときは、必ず ボナセーラ(夕方以降の場合)。出るときも同じ。日本と習慣が違い、黙ったままはかなりまずい。

 

注文には基本パターンを連発する。

 

ヴォレイ ウネット100g)ディ(の)プロシュート(ハム) ペルファヴォーレ 

 ハム類は100g単位で注文すると良いと思う。

100g⇒ウネット 200g⇒ドゥエ エッティ 300g⇒トレ エッティ

 種類は、大まかに 普通のハム⇒プロシュート・コット、生ハム⇒プロシュート・クルード

実際には好みに合わせて何種類かのかたまりがころがっているが、解らないので適当に指差すか、わからない顔をしていれば一般的なものを切ってくれる。因みに、ハム200g 生ハム100g が最近の私のパターン。  

 

ヴォレイ ウンポ(少し)ディ フォルマッジョ(チーズ)ペルファヴォーレ

ハムはスライサーで切るが、チーズは手切りだし、合わなかったとき量があるとつらいので私はウンポ(少し)と頼んでいる。

チーズは種類が多く、詳しい人で無い限りどれがどうだか全然わからない。基本パターンから外れるが、

クワーレ(どれ?) ブオニッシモ(おいしい)コン(with)クエスト(この)ヴィーノ(ワイン)

などと申し述べると、そこはワインとチーズで暮らしてきたイタリア人であるからちゃんと選んでくれる。チーズが赤ワインにいかに合うか、宿に戻って納得し、店の人に感謝する日々なのでありました。

 

チーズについてさらにいえば、もしモッツアレッラを見つけたら是非一度試してください。水につかっていて日本の豆腐みたいだが宿に持って帰って食べる分にはなんら問題ない。丸のままかぶりつくのはワイルドすぎるが、日本では味わえない美味である。

 

◇その他

ワイン ヴィーノ ビアンコ(白) ヴィーノ ロッソ(赤) セッコ(辛口)

ワインについては、土地にもよりますが、宿で飲む場合、赤ワインにした方がいいと思います。常温で飲むのに適していることと、ハムやチーズとの相性が良いからです。

 

ミネラルウォーター  アックアミネラーレ  ガッサータ(ガス入り)  ノンガッサータ(ガスなし)

 

惣菜類  指差して注文すると良いと思います。量は、100g単位で示します。密封してくれるのでバッグの中で汁がもれる心配はありません。

 

買い物していると、必ずバスタ? とか バスタコズィ? などと訊かれます。これは、これで全部か?の意味です。

 

 

◇スーパーマーケット

イタリアの町にコンビニは無いが、小さなスーパーマーケット(スーペルメルカート)は見かける。ハム・チーズ類はパック入りも売っているが、奥には量り売りのコーナーもちゃんとあってさすがは対面販売重視のイタリアである。ワインなどはスーパーの方が安いようである。またレジで精算するとき、やはり皆さんレジ係の人と挨拶を交わしていました。

 

 

◇バール

イタリアの町中どこにでもあり、イタリアのサブカルチャーを代表するバールであるが、私は活用度が低く、良く解らないところがある。この項は後日改めます。

 

本日は、以下の3点のみ

@仕組みであるが、先にレジに行って、注文を言い、金を払ったレシート(スコントリーノという)をバリスタ(店員)に見せて品物を入手する。このとき、品物が並んでいる場所とレジが離れていると、欲しいものを指せないのがツライ。小さな店ではこういう分業は無い。

 

A量り売りのピッツァはどこでも同じ様な味だが、パニーノは時々これはすごいというのに出くわす。先日コッレ・ヴァル・デルサのバールで買ったパニーノは、ミンチ肉を焼いたものに見えたが、宿に帰って食べてみるとハンバーガーなどと言う代物ではなく、きのこ、チーズ、ほうれん草をみじん切りにしたペースト等々が入っていて非常に凝った美味であった。

 

B欧米人ツーリストは、食事をバールで済ましているようだ。パニーノやピッツアをテイクアウト(ポルタルヴィアこの言葉も知っていると便利)するか、路上のテーブル席で飲み物と一品といった食事をしている。レストランに入るより経済的であることは間違いない。

 

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