初めてのパリに感動し、何とかこの町を把握してやろうと連日歩き回ったのが1982年。
それでなにがしか達成感が得られた感じがあって、その後何度もパリに来ることになったものの、常に通過点扱い、
たいていは大好きなカルチェラタンに宿泊し、
リュクサンブール公園のベンチで足を投げ出してパリは変わっていないと安心、
大体の行動半径はカルチェラタン一帯、
出掛けるにしてもせいぜいルーブルか、オルセー美術館にでも行ってみるかという位のことでした。
ところが今回、家族旅行ということで久々にパリに連泊。
シャンゼリゼを歩き、凱旋門やエッフェル塔にまで上がり、30年振りのパリ再体験。
以下気付いたことなどコメントします。
(@はシテ島とカルチェラタン界隈、Aはそれ以外)
セーヌ川とシテ島
◇RER サンミシェル=ノートルダム駅
シテ島南側の地下鉄駅。これまでほぼ毎回、CDG空港からのRERをひとつ先のリュクサンブール駅で降りてきたが、この駅で降り、
オテルデューの角を曲がると、暮れかけた濃紺の空を背景にライトアップされたノートルダム寺院がいきなり現れたのには感動。
パリに来た!という喜びに急速に満たされました。
◇ノートルダム寺院
入場は朝がお勧め。昼や午後は長い列ができていて、近寄る気にならない
◇サン・ジュリアン・ル・ポーヴル教会とサン・セヴラン教会
どちらもノートルダム教会からセーヌ川を渡ったすぐ南にある教会。知名度はノートルダムと比べ物にならないが、良い教会だ。
サン・ジュリアン・ル・ポーヴル教会は、小さな、古びた教会。すぐ目の前の観光客で賑わうノートルダムが嘘のようにしみじみと静かである。
催し物の張り紙が貼られていたり、また横の公園や周辺の小道の雰囲気も、下町然としている。
サン・セヴラン教会は、サン・ジュリアン・ル・ポーヴル教会からサン・ジャック通りを挟んだ筋向い。
堂内が定型の縦長でなく、柱の立ち並ぶ感じがスペインはアンダルシアの教会を連想させる。
◇サントシャぺル
裁判所の敷地内にあるので、セキュリティチェックがあったり、裁判所の関係者(?)が入場する間待たされたりと、ちょっと勝手が違う。
サントシャぺルは小さな礼拝堂で、入ってすぐの左側にある小さな螺旋階段を見落とさなければ「パリの宝石」に出会うことになる。
「パリの宝石」
◇パンテオン周辺
パンテオンの正面からエッフェル塔が通りの向こうに見える光景が好きで、何度もその前に立ってきた。
今回足を向けたのは、パンテオンの正面左奥に進んだ下り坂の一帯。カフェやビストロが並び、学生街らしい感じがあってなかなか良い。
◇中世博物館
サン・ミシェル大通りとサン・ジェルマン大通りの交点、カルチェラタンのど真ん中に鉄柵越しに見えるローマ遺跡。
何だろうと思うことはあったが、慣れると当たり前の風景となってしまってその前を行き来していた。
今回気が向いて入場してみたが、中世美術館という名前から期待したような(ローテンブルクの中世犯罪博物館のような)展示は無かった。
さすがに時代の流れには逆らえず、公園の中は全面禁煙となっていた。
「移動式ベンチ」は健在であったものの、ベンチに足を投げ出し煙草片手に本を読むおねえさんなど、かつてよく見られた光景が、
もう見られないのは残念。
このスタイルは変わらない
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