楽園 ダルマチア海岸/プリモシュテン

(データ:2018年5月)

◇ダルマチア海岸

 

クロアチアの西は、北はイタリア国境近いリエカあたりから、南はモンテネグロ国境近いドゥブロヴニクまで、全てアドリア海に面する長い、複雑な海岸線になっている。(内戦終結処理で何があったか、その途中数キロ分だけ、ボスニア=ヘルツェゴビナ領である)

 

ダルマチア海岸というのは、この海岸線の中央部から南部にかけての一帯を指すようである。数百キロにわたる長い海岸線であるが、長距離路線バスが一定の頻度をもって走っており、移動し易い。(私がトロギールからザダルまで利用したバスは、朝スプリットを出てきて、夕方リエカに到着するのであった。)

 

 移動中のバスから見る海岸の美しさは驚異的。大小の島が数多く重層的に浮かぶ青い海、その遠景も素晴らしいが、見る度に何度も感心させられたのは、波打ち際の水のきれいさ。バスはいくつもの小さな入江をつないで走るが、浮かぶ小舟の影が海底にくっきり映り、小舟がまるで宙に浮いているかのように見えていた。

 

 海水の透明感は、町の港でもそう損なわれていない。大量の観光客が押し寄せるドゥブロヴニクですら、それはほとんど変わらないのであった。どの町でも海際にしばらく腰を下ろして、ぼんやりと青い海を眺めていたり、足元で小魚が群れをなして泳いでいくのを目で追ったりするのは楽しい時間であった。

 

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プリモシュテンのレストラン

パラソルの下の二人用テーブルが私の座った席。

美味しい料理とこの景色!

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プリモシュテンにて

 

◇プリモシュテン

 

 美しいダルマチア海岸の中でも、作ったような風景に目を見張らされるのがプリモシュテン。シベニクトロギール間。本土とすぐ隣接し、短い橋で結ばれている。写真を撮り損ねたが、バスの車中からその姿がよく見えていた。

 

 バスは、本土側の小さな広場に着く。Centarと書かれた看板の矢印に従って坂を降りていくとすぐに橋に至る。入り口の城門を抜けて上へ上へと歩いていくと、数分ほどで島の中央、最高部に立つ教会に出る。

 

 道は迷路状であるものの、地図不要の小さな島である。石積みの民家も見かけたが、観光的な整備は全くされていない。教会も2度行ってみたが、いずれの時も閉まっていた。のんびり海を見に来るところだと思う。海沿いの道を一周することもできる。

 

 私は、魚を食べてやろうと昼食タイムに途中下車したのでした。魚のスープ(地中海諸国ではどこでもあって、どこでも美味であるが、それぞれお国柄があり、食べ較べてみることをお勧めします)と鱸のグリル。今回のダルマチア行きで、もっとも美味しい食事でありました。

 

 なお、城門に向かって右に公衆トイレがある。(無料)

 

 

 

 

 

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