ポルト

(データ:1995年12月)

ドゥロ川を挟んでポルト中心部を見る

ポルトは商業都市のイメージが強く、

足掛かりにする程度の積りで出かけたのであるが、

予想に反し、かなりよい町であった。

起伏の複雑さはリスボンに勝る。

 

◇町の把握

ポルト中心部は歩いて回れるサイズながら、平面的にも垂直方向にも複雑な造りをしていて最初つかみにくい。明確な「町のへそ」がないためで、出発点サン・ベント駅を中心に考えることになる。駅の右手方向はリベルダーデ広場から市庁舎に続く緑地帯で、中級クラスのホテルが並んでいる。正面方向、リベルダーデ広場の向こうは上り坂になって高い塔のあるグレリゴス教会に至る。一方、左前方にカテドラル。駅前の道を左に進めばドウロ川にかかるドン・ルイス一世橋を渡る。

 

サン・ベント駅前

第一歩でポルトの複雑な地形を知る

 

◇散歩ルート

グレリゴス教会の裏手、バスターミナルになっている丘からドウロ川目指して下りに下ると、ボルサ宮、ついでサン・フランシスコ教会に至る。サン・フランシスコ教会内部は、凝った装飾や地下納骨堂の髑髏の不気味さなど見応えがある。

ドウロ川沿いの下町一帯の雰囲気が良い。建物が長い年月を経て成長した石の老木を見ているかのようである(下の写真)。ドン・ルイス一世橋(下の橋)通ってワイン工場の看板が立ち並ぶ対岸に渡る。急坂を登って今度は上の橋を渡り返す。(一番上の写真はこの時のもの)駅に至る手前、左側のカテドラルに立ち寄る。

 

カイス・ダ・リベイラ

右手、上の橋。高さが分かる

◇アクセス

リスボン(サンタ・アポローニャ駅)からICで3時間。列車はポルト・カンパニャン駅に着く。町なかにあるのはサン・ベント駅だが、カンパニャン駅で乗り換えてすぐ。

またポルトガルへは日本からの直行便がないので、北部に足を伸ばすならリスボンでなく直接ポルトに入る方が効率がよい。少し前にポルト便を予約だけしたことがあるが、パリが日本からの乗継がスムーズであった。

 

◇バスターミナル

ポルトは北部ポルトガルの中心都市で、各方面へバスの便がある。複数のバス会社があり、バスターミナルも市内各所に散在する状況なので、乗り場はi でよく確認のこと。

 

◇サン・ベント駅

ヨーロッパの都市には珍しく、また起伏の激しい町であるにもかかわらず、旧市街近くまで線路が入ってきている。構えたところ無く庶民的な味わいある駅で、町のざわめきがそのまま流れ込んでくる感じがよい。構内はアズレージョで装飾されている。

アズレージョが見られるサン・ベント駅

(サン・ベント駅は「ポルトガルへの道」にもう一枚)

 

◇ドン・ルイス一世橋

一番上の写真の右端に見えている橋がポルトのシンボル(かな)、ドン・ルイス一世橋。自慢話をさせて頂きたいのであるが、私は初めてこの橋を見たとき、これはエッフェル塔であると思った。鈍い金属色とか無機質な造形がエッフェル塔に酷似しているのである。後でガイドブックを見てこの橋がエッフェルの弟子の手によるものであることを知り、得心した次第。

上下2段の構造を持つ珍しい橋で、下の端は川面近くにかかり普通なのであるが、上の橋が高さが100mもあろうかと思われ、しかも手すりが腰のすぐ上くらいまでしかないとあっては、高いところが怖い私にはかなりの恐怖でした。これだけの高さがありながら渡りきってそのまま進めばサン・ベント駅に出るというところがこの町の造りの面白さを表している訳ですね。

 

◇ポートワイン

の名は、日本ではポルトの名以上に知られている。試しにと一本買って宿に持ち帰ったが、甘くてとても飲めたものではなかった。スペインのティオペペ、ハンガリーのトカイワイン、そしてこれが私が飲めなかった3大銘酒なのでありました。口直しに飲んだヴィーニョ・ベルデは、緑というその名に相応しく、大変すっきり爽やか。

 

 

◇治安

宿の人の話によると、カテドラル周辺はヤク中がたむろしているので要注意とのこと。また安宿は、サン・ベント駅裏手に多いようだが、大きな町では鉄道駅周辺、バスターミナル周辺は用心するのが基本動作。

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