緑の中の古城と王宮 シントラ

(データ:1984年1月)

王宮前のレプブリカ広場

この日、カーレースが開催されていた

 

◇ペナ城

王宮から3キロ。緑深い山の上にあり、ひたすら急な坂道を登って行く。若者たちは車が通りかかる毎に腕を差し出してヒッチハイクを試みるがなかなか停まってくれない。途中ムーア人の城跡への分かれ道があり、間違えないようにしないといけない。

ペナ城は凝った複雑な造りをしており、当時の日記には、おとぎの国の城的外観は南ドイツの名城ノイシュバンシュタインに似る、とあるが、どうもこの城の建築主はノイシュバンシュタインを建てたルードヴィッヒ2世のいとこに当たるらしい。かなりエキセントリックな魂がこの城を造らせたということになろうか。

しかし、ノイシュバンシュタイン城との違いは大西洋を望むという点にある。ペナ城が立つこの山を除いて周辺は赤い屋根の町が点在する緑豊かな平地で、その向こうに大西洋がある。ちょっと気付きにくいが、シントラやカスカイスのある一帯は大西洋に突き出した大きな半島であり、だから、180度以上の拡がりで海が見えるのである。

◇アクセス

カスカイスと同方向であるが、こちらはロッシオ駅発。終点シントラまで40分ほど、頻発。町なかロッシオ広場に面するロッシオ駅は、国際列車が発着するサンタアポロニア駅の重厚さは無く、朝方など通勤駅の風情。

また、ロカ岬との間にバス便がある。

 

◇王宮

旧市街は駅から徒歩10分。リスボンへの通勤圏ということなのか新しい住宅地が駅の反対側にひろがっていて、旧市街方面は町外れに向かって歩いていく感じ。

王宮を中心とする旧市街は、緑に囲まれた小さな古い美しい村である。王宮は、中央部が膨らんだ円錐形の二本の塔が印象的だが、内部を見学したところ、それらは台所の天井なのであった。

 

 

ペナ城から大西洋を望む

城を囲むバルコニーから360度の展望が得られる

テージョ河もリスボン市街も見ることができる

 

 

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