≪2005フランス≫

言葉、その他

 

[フランス語]

パリは英語を喋るし、そもそも情報が溢れているので問題ない。 問題は地方であり、これはイタリアとほぼ同じ状況であった(イタリア編「イタリア語について」ご参照)。言葉が出来なくて損なのは、一つにはしなくてもいい苦労をさせられるということ。もう一つは話せれば土地の人とのやりとりなど、もっと面白い旅になるであろうチャンスを逃すことである。

前者については、一番困ったのは電話。ヴェズレーに行くのには、タクシーしか交通手段が無い。アヴァロンでタクシー屋に電話を入れた。I want a taxi for Vezelay.″などと切り出しても意味が無いことは分かっているので、フランス語をまくし立てる受話器に向かって、タクシー、ヴェズレーと叫ぶ。途中でこちらの所在地も言わな分からんわなと気付き、目の前にあるカフェの名であるヨーロッパを加える。表情もゼスチャーも使えない。我ながら阿呆のようだと思ったが、相手が何を言おうが、タクシー、ヴェズレー、カフェヨーロッパの三語を繰り返すしかなかった。こういう苦労はまた旅の面白さであり、振り返れば懐かしい思い出にもなるのだが、現場ではやはりつらい。

イタリア編で書いたように、NHK講座入門編の2,3ヶ月分で上出来。例えば「明日」というよう簡単な言葉を知る知ないが大違いなのである。私は今回反省し、10月からの新規講座を受講します。

 

言葉は生き物なので使えると嬉しい。皆が良くダッコ、ダッコと言う。初め、娘に一日百回ぐらい聞かされた音声だなと面白がっていたのだが、イタリア語にダコールド(了解)と言うのがあるので、すぐに意味は推定できた。で、ここぞというときにダッコと答えると相手の表情が変化するのが楽しかった。

もう一つ、良く聞いた音にヴァラ!というのがある。さあ!とか、どうぞ!とか言うニュアンスのように思われたが使われる場面が幅広くてはっきりしなかった。この謎は10月に解明される。楽しみである。

 

[商店営業時間]

19時に閉まる。観光していてもこの時間を忘れてはいけない。夕食は大体ワインや惣菜類を買って、宿に持ち帰えることにしているのだが、うっかりこの時間を逃すと夕飯抜きの危機が訪れる。スーパーなど夜8時まで営業しているところもあったが、まちまちなので通りかかった時に閉店時間を確認しておく。尚、大きい町では遅くまで開いている店もあった。

 

[電話]

パリ・リヨン駅のKIOSKのおばちゃんの言によると国際電話用は(日本のテレカのような)挿入式のものは無いそうだ。暗証番号を都度ダイヤルするもので、面倒そうで嫌だったのだが、やってみると意外に使える。

以下その手順。

@カードをスクラッチして暗証番号を起こす。

A公衆電話に向かい、カードに記載されている4桁の番号にダイヤルする。(コインもカードも不要)

Bテープのフランス語が何か喋る。それが黙ったところで暗証番号をキーイン。

C言語の選択(英語可)、効力発生の二つをキーイン。これで完了

 

電話する時の手順

@4桁番号をダイヤルする。

Aテープが何か言うので、それが黙ったところで暗証番号をキーイン。

Bテープが残り何ユーロと未使用金額を教えてくれる。

Cかける先の電話番号をダイヤルする。

Dテープが残り何分何秒と通話可能時間を教えてくれた後、つながる。

 

イタリアでは、5ユーロのテレカなど日本に2,3回かけたらそれで終わり、という感じであったが、7.5ユーロのこのカードは日本への通話可能時間は、40分以上あったと思う。残り時間、金額が分かるのが便利であったし、それがなかなか減らないことにも感心した。結局全部使い切ることなく日本にカードを持ち帰った。尚、国内通話も可能であったが、フリーコールだと思うが、0810から始まる番号には使えなかった。

 

[4月の気候]

イタリアと同じ感覚で行ってしまったが、北にある分、寒い。昼間の気温で5度という日もあり、下着、長袖シャツ、ダウンジャケットの3枚の身には応えた。ヨーロッパの体感温度は気温より天気である。同じ日でも太陽に照らされればTシャツ一枚で快適で、たちまちにしてダウンジャケットはお荷物になってしまう。多少寒くても、春秋はこの3点セットが効率的か。

この時期、残念ながら天気は良くないようだ。ヨーロッパは雨が少なく、降ってもひどい降りになることはあまり無い。イタリアならば雲の動きが軽く、降っても雨宿りしていればやがて青空が広がるのが常であった。しかし今回、パリは雲が重く垂れ込め、またブルゴーニュでは降り方が本格的で、気温の低さ、強風を伴い、凍えた。

ヨーロッパ人が太陽を渇望する理由のひとつだと思うのだが、町並みが石で出来ているヨーロッパは雨が降る光景が陰鬱で気が滅入る。私は太陽を求めて南下しました。途中、リヨン辺り山間地の車窓は雪景色。窓に激しく当たる雨粒はまるで津軽地方を旅しているかのようでありました。

 

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