ルーアンの大聖堂
(データ:2008年4月)
ルーアンのノートルダム大聖堂 見れば見るほど美しいゴシック建築 前の広場を横切るように近づくと見え方がどんどん変わる ◇絵画鑑賞とルーアンの大聖堂 ヨーロッパの大きな町には大抵美術館があって、中には名の知られたものもあるから、自然といくつか立ち寄ることになります。私は学校の図工や美術の成績は悪かったし、絵画鑑賞などという柄でもないのですが、本物を繰り返し見ることの効果はすごいもので、いつのまにか絵を見ることは訪欧の一つの楽しみになりました。特に中世期の宗教画など、仮に同じ作品を見たとしても、日本の美術展で見るのとは全然違う感じがすると思うので、「興味無いよ」とおっしゃる向きも是非一度美術館に足を向けてみましょう。 ヨーロッパ絵画で日本人ツーリストの人気を集めるのが、教科書や何やで目にしてきた印象派の作品の数々。その中で、巨匠モネの「ルーアンの大聖堂」の連作は印象派を代表する作品の一つである。実際にルーアンの大聖堂の前に立つと、あちこちで見てきたモネの絵のイメージのままの重厚な姿がそこにあって、これを見るだけでルーアンを訪れる価値があると思う。 外部サイト(絵と現物を見比べている) http://www.seinan-gu.ac.jp/kokubun/report_2003/monet.html ◇ツーリストインフォメーション 大聖堂前の広場の大聖堂と向かい合う建物の一階にある。観光パンフレットは日本語バージョンがある。私が訪れた日は市内5つの美術館が無料開放されていたが、そういったサービスの充実していそうな町なので確認を。ちなみにモネはこの建物の上階の部屋にキャンバスを立て、窓から大聖堂を眺めて例の連作を描いたそうだ。また i の前から観光用のミニトレインが出発する。 ◇宿について i でホテルリストを貰うことができるし、自分で歩いて探すことも充分可能。町歩きしながら安宿の値段をチェックしてみたが、底値で20ユーロ、シャワートイレ付では30ユーロを表示しているところもあった。いずれも大聖堂からそう遠くない場所であった。 ◇外部サイト http://jp.franceguide.com/home.html?NodeID=247 (フランス政府観光局) http://france-tourisme.net/s-Normandy-Rouen-spot.htm |
◇アクセス パリから140km。速い列車なら一時間余で到着。しかも頻発。帰国前日の宿泊地として、大都市パリを避けたい向きにアミアンを勧めたが、あの町はすっかり変わってしまって、ルーアンの方が良いかも知れない。 ちょっと変わった便を見つけたので紹介します。ル・アーブルとマルセイユの間にTGVが毎日一往復しています。(COOKのTABLE335の欄外)朝9時前にルーアンを出れば、昼過ぎにリヨンに、2時過ぎにマルセイユに移動します。何が変わっているのかというと、フランスの鉄道は全てパリ中心で、地方から地方に直行するのが非常に不便に出来ている為。朝ノルマンディを出て、午後にプロバンスを歩いている、というのは一度やってみたいなあ。 ◇ノートルダム大聖堂内部 高い天井を支える柱列の幾重にも重なる縦の線が見事。等身大より一回り大きい聖人の石像が床に何体も並んでいて、サンジャンとかサンテティエンヌとかあちこちの教会の名として聞いてきた名前が付されている。サンジャンはお前だったかと妙に親しみがわく。他にジャンヌダルクの像もあって柱に縛り付けられた足下から炎が這い上がっていた。 私が訪れた時は、現代アートの展示をしていた。パンフレットによるといくつかの町の教会で同時に行っているらしい。展示室を作るのでなく、中世期の石壁の柱と柱の間に直接展示しているのが良い。 ◇その他の見どころ ルーアンは大聖堂以外にも見どころの多い町であった。ノートルダム大聖堂から歩いて5分もかからない距離に、それ一つだけで町の名が高まるような大きなゴシック教会が二つあり、辺り一帯は旧市街の風情をとどめている。大聖堂の裏手にある方のサン・トゥワン教会は正面から見た佇まいが個性的。この教会の左の道を少し行った左手、ぺスト流行の中世期に共同墓地(つまりは遺体の投げ込み場ということか)だったという奇妙な雰囲気をとどめる中庭が珍しい。 大聖堂からジャンヌダルク広場に向かう途中にくぐるのがこの町のもう一つのシンボル「大時計」。私は入らなかったが内部を見学できるようである。ジャンヌダルク広場は、ジャンヌダルクが火あぶりにされたまさにその場所。広場に立つジャンヌダルク教会は近代建築であり、私の趣味には合わなかった。 鉄道駅と大聖堂のほぼ中間地点にあるルーアン美術館は、さすがに印象派の拠点であった町らしく展示が充実。「ルーアンの大聖堂」もちゃんとある。 旧市街を行く |