≪2005フランス≫

空の上のコルド コルド・スル・シェル

◇アクセス

「歩き方」にはアルビからバスとあるが、最寄り駅コルド・ヴァンドラック(Cordes Vandrac)から入ってみた。トゥールーズ−アルビ間のガイヤックからフィジャック方面のローカル線に乗り換えて20分。トゥ−ルーズからなら直通列車がある。私はガイヤック9時40分発に乗ったが、人家まれな山中を行くに似つかわしくない近未来的デザインの車両で、一両編成ながら遠路、「黒い町」クレルモン・フェランまで行くのであった。

さて、コルド・ヴァンドラック駅は無人ではないが小さな駅舎がぽつんとあるだけの駅である。乗降客は他にいない筈で(つまり、便乗は期待薄)、ここで、@歩く、Aナヴェットを呼ぶ、のいずれかを選択することになる。

@駅前は高台になっていて、周囲を見渡せば木々の間に(空の上の)コルドが見えている。5,6km程度だから無理な距離ではない。しかもほぼ一本道である。ただこの地方は霧が出やすいらしく、早朝、朝霧の上に浮かび上がる幻想的なコルド風景が町のパンフにも出ている。私が着いた時全ては深い霧の中にあり、歩くどころではなかった。しかし朝霧は必ず晴れる。駅前からのコルド遠望もそうであるが、晴れ渡った帰途は「こうなってたのか」という発見があって楽しかった。

A駅舎の中の掲示板にナヴェットの電話番号が掲示されている。ナヴェットというのは、正確には知らないが私の理解では乗り合いタクシーのようなもの。公共の交通機関よりは高いが、一人いくらの料金設定で行ってくれて、タクシーよりは安いようである。コルドまで4ユーロ、乗ってしまえば快適に飛ばして5分で着く。但しこちらは、電話する時の言葉の問題と、相手が出払っていれば使えないという難点がある。しかし、ここの場合は、ダメなら歩いてしまえばいいわけで、コンク行きあたりと比べると、ずっと行きやすいと思う。

◇空の上の町

イメージに弱いので、『空の上の(スル・シェル)』という形容詞だけで行くことを決めました。もっとも地図を眺めていると同じ形容句を冠した町が他にもあったので、コルドだけのものではないようです。しかし左の写真の見事な円錐形!『空の上のコルド』という名にふさわしい。

 

◇遠望ポイント(左写真)

町の下の広場Place de la Bouteillerie から町に背を向けてRepublique通りを上っていくと、左側にハイキングルートの入り口が現れる。2,3分も登っていけば、左の写真の位置に至る。

丘上都市といえばイタリアだが、イタリアの町が丘の上に立っているように見える(当り前)のに対し(例えばアッシジ)、ここは、平らな土地に積み木を積むように家を積み上げたように見えるのが面白かった。

Chaude通り

メインストリートはレストランやアトリエなどで賑やかだが、裏通りには素朴な味があった

 

◇町の中

古い教会や城門など周囲は撮影ポイントだらけで、おもちゃ箱の中にいるよう。独立峰(?)であるから周辺の野や村の眺めもいい。さらに特筆すべきは多くのアーティストがアトリエを構えていることで、芸術村の様相。田舎町のおおらかさで、開け放った窓辺に製作中の姿を見かけたりする。観光客が多く訪れる町であるから見学可能の雰囲気であったが、何しろ言葉が出来ないでは話にならないのであった。

 

フランス編表紙に戻る  トップページに戻る