≪2005フランス≫

城壁都市  カルカッソンヌ

旧橋から「シテ」を見上げる

この位置からの城壁の姿は美しく見飽きることがない

 

◇「シテ」と「下の町」

まあこれだけの町であるからシテの中は観光地ムード一色。1日目私が訪れたのは好天の日曜日で進むのも困難なほどの混雑振り。土産物屋、レストランだらけで、一巡りすればそれでよいかなという感じであった。『城壁の中はつまらない田舎町に過ぎない』という鈴木成高氏(「中世の町−風景‐」)のコメントを思い出したが、しかし翌日、小雨降り続く平日に再訪したシテは人の姿はまばらで、雨に濡れる城壁や石畳はそれなりの情感があった。

一方「下の町」は新市街とはいえ、文字通り下町の活気がありこれといった観光名所はないものの歩いていて気持ちの良い町で気に入った。

 

◇名物カスレ

訪れる人の多さを映してかこの町はレストランが多い。観光客相手のレストランが並ぶシテのみならず「下の町」にもレストランが目立つ。ただ、なんとなく適当な店がなくて、歩き続けた挙句駅前のブラッセリーにたどりついた。メニューにラングドック名物カスレを発見、早速注文した。カスレというのは土鍋料理で、豆やソーセージなどを煮込んだもの。中に溶けていたチーズの味が絶妙でした。

油が浮く熱々の感じは、冬の寒さの厳しいカステリアの料理にそっくりで、スペイン国境近しを感じさせる。油好きの私としては大満足だったのですが、その後数時間胃がもたれて苦しかった。カスレ単品(+パン、赤ワイン、カフェ)のオーダーは正解でした。

◇城壁都市

見事な城壁を持つ都市としてスペインのアヴィラと共にしばしば名の挙がる町である。規模や重量感ではアヴィラが勝ると思うが、アヴィラの城壁は単調である。カルカッソンヌの城壁は塔の配置のバランスが良く、美しい絵になっている。

 

◇アクセス

鉄道はトゥールーズ−ナルボンヌ間、どちらからも一時間ほど。駅前、世界遺産にもなっているミディ運河がある。地中海と大西洋を結ぶ壮大なプランだが、見てみると心細くなるほど頼りない水路であった。これを渡ると「下の町」。直進して左折、駅から15分ほどで旧橋に差し掛かりここで初めて城壁と御対面。坂道を登ってゆくと5分ほどで城壁に囲まれた「シテ」の入り口の門に至る。

 

◇宿について

駅前にの出張所ブースがあり地図やホテルリストを入手する。シテ内外の宿は高価。「下の町」にも宿が6,7軒あり、まずはこちらからスタート。私は2箇所に宿泊したが、お勧めはホテルリスト25番のASTORIA。ミディ運河を渡って左手、駅から3、4分と近く便利。シャワー、トイレ共同25ユーロ(3,500円)で、今回最安値。主人はカタコトながら英語を話す。「下の町」のシングルルーム相場は20〜35ユーロ位、安い部屋は早めに埋まってゆくようであった。

 

二重になっている城壁の間を行く

奥の橋のアーチのデザインが面白い

 

 

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