地中海の町  スプリット

(データ:1988年12月)

海に面した町の中心の広場

真冬ながらぽかぽか陽気で私はベンチで昼寝を致しました

 

◇スプリットについて

東欧についてに書いたようにこの地域の旅行事情はかなり変った。近刊の「歩き方」には何と「スロベニア・クロアチア編」があり、スプリットがメジャーな観光地として取り上げられていることに時の流れを感じる。私は東欧の旅で、連日の濃霧と寒さとに鬱々とし、COOKを眺めてここならばと何の事前知識もなく訪れたのがこのスプリットなのであった。

何しろアドリア海の対岸はイタリア。解放的な空気はまさに望んでいたものであった。ガイブックドなしでも地図を見て自分で行き先を決められるセンスは今では懐かしいとしか言いようがないが、満足してふらふら歩き回っただけのことであり、観光情報はガイドブックをご参照下さい。

 

上の写真の広場は駅から徒歩5分。この広場の後ろ側に古代宮殿跡があり、千数百年前の姿を留めつつ、現在でも住宅や店舗、レストランとして使われている。世界遺産に登録されているそうだが、そうとも知らずに訪れてみてびっくり、それだけの価値のある街であった。

 

しかしここでは町にあふれる南国ムードを再度強調しておきたい。実に多くの人たちが昼からビール片手に談笑している。暗く沈んだザグレブと大違いなのである。

◇アクセス

クロアチアの首都ザグレブから6時間。夜行列車もある。

私は未明の列車でザグレブを発ち、昼過ぎにスプリットに着いた。左に書いたような事情で地中海を目指したものだが、道中山越えのルートであり、左に右にカーヴしながら進む列車からの車窓風景は見ごたえある。緑濃く、丈の低い常緑樹が散らばる大きな風景で、人家は少なく、放牧された羊の群れに出会う。数時間後、下りにかかると地中海が見えてくる。列車がスプリットに着いてみれば、私はザグレブとは別世界の地中海の陽光の中に立っていたのであった。

 

 

スプリット旧市街

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