ドナウ川と街道との交点 ドナウベルト(2011)

(データ:2011年4月)

ニュールンベルクからネルトリンゲンに行こうとした際、

ドナウベルト乗り換えになることに気付き、

29年前にごく短時間訪れた懐かしい町を再訪してみた。

ガイドブックに載る町ではないので人の役には立たんでしょうが、

私としては20歳の自分と再会する楽しい感じがありました。

 

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左手に古い教会を見つつ坂を上っていく

 

◇29年前の思い出(その1)

駅から進んで、川中島を渡った橋のたもと右側にROMAという名のピッツェリアがある。かすかな記憶をたどってここがかつて自分が入った店だろうと見当をつけ、川沿いのテラスに落ち着く。出てきたのは英語もイタリア語も話すおじさんで、尋ねてみると60年前から家族で経営しているとのこと。これは間違いないと確信、29年前、自分は確かにここにいたのだと感慨にふけりつつビールを飲む。

60年前ということは、このおじさんドイツ生まれということになるが、イタリア人なのだろうか。私はこの旅ではドイツ語が出来ない為にフラストレーションがたまっていて、帰り際、思い切ってイタリア語で“Scusi, vorrei pagare!”(すみません、お勘定!)と声をかけると、“Subito!!”(只今!!)というこの場合の常套句が即座に返ってきて嬉しくなりました。

◇アクセス

ミュンヘンーニュールンベルク間。1時間に1本程度便があり、どちらからも1時間20分ほど。ニュールンベルクからは途中乗り換えになる場合がある。

また、ドナウベルトーミュンヘン間にアウクスブルクがあり、ローテンブルクディンケンスビュールネルトリンゲンと南下してきたロマンティック街道バス(ヨーロッパバス)は、ここでDB(ドイツ国鉄)と合流する。20歳であった私は都会アウクスブルクを嫌ってドナウベルトに向かい、夜行列車が到着するまでの時間を過ごしたのでした。

 

◇旧市街

同じ人間が同じ駅頭に立てば、同じ行動をするだろうと踏んだが、さすがに30年近いギャップは大きく、何のインスピレーションも与えられませんでした。

駅前すぐ先のバーンホフ通りを右に行くと、しばらくして川中島を渡る。門があってこれが旧市街の入り口。門の向こう、小広場があって市が立っていた。ここから左に折れるようにして上がっていく坂道が町の中心。古い教会を一つ左手に見つつこの坂道を上りきると墓地のある教会に突き当たって道が尽きる。

広場の近くに i を発見したが、閉まっていた。

 

◇29年前の思い出(その2)

帰国してから当時の日記で確認すると、旧市街には向かわず、ドナウ川を求めて歩いている。駅から歩いた時に最初に現れる川中島のある川はドナウ川ではなく、町外れでドナウ川と合流する。当時も地図を持たずに町に到着しているが、30分歩いてドナウ河畔に立ち、木立ちの並ぶ自然堤防に腰を下ろして1時間ばかり旅日記を書いていたようである。

旅日記を読み返すと、以前は良く歩いていたなと思わされることが度々ある。体力のこともあるが、より大きいのは、何でも見てやろうという感じで、悔しいけれど、ちょっとこれは衰えてしまった。

因みに左記のピッツェリアについては、『小さな川沿いのピッツェリアでピザとビール。この店のピザは大きいけれど味の方はダメ』と愛想のカケラもなし。

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