不思議な町 ヴィルニュス
(データ:2019年6月)
不思議な町 ◇夜明けの門 ロマンティックというか、ちょっと変わった名前を持つこの城門は、外側から見る普通の民家と隣り合う感じもいいのであるが、旧市街側から見てみて欲しい。日中は門の上の窓が開け放たれて、聖母の像が見える。 旧市街側、向かって左側の扉から入って階段を上がると、聖母像の前に出る。町の人の信仰篤いようで、長い時間ずっと跪いて熱心に祈る人がいた。聖母像は、近くで見ると神秘的な感じがあり、私もかなり長い時間像に見入った。守護聖人というわけでもないだろうが、聖母は夜明けの門の開かれた窓から町を見守っているのであった。 ◇旧市街ウォ―キングツアー i 主催の無料ツアー。ホステル「ミカロハウス」のオーナーに勧められて参加したのだが、想像以上に良かった。オーナーの言葉通り、一人で歩くだけでは行く筈のなかった場所に行き、ガイドブックを読むだけでは知ることもなかったことを知ることができた。 ガイドの力量も大きかったと思う。名前を失念してしまったが、30歳くらいの女性で、多様な集団を全体として巧みにまとめつつも、移動中など参加者一人ひとりにフレンドリーに話しかけるコミュニケーション力の高さ。和やかな雰囲気を作ってくれたおかげで、自然と参加者同士の話も弾む。ツアー終了後も町を歩いているとツアー参加者から声が掛かったりしたのは楽しかった。 ・10時集合、簡単なガイダンスがあってすぐに出発 ・参加者 老若男女20数名 ペアか単身の参加者が中心 スタート前、各自、名前と出身国のみの自己紹介。欧州、北米、南米から、感心するほど出身国はばらばら。非欧米圏は私ひとりのみ。(というより、ツアー史上、私は初の日本人参加ということであった) ・コース 旧市庁舎 ⇒ ユダヤ人地区 ⇒ ウジュピス共和国 ⇒ 聖アンナ教会 ⇒ カテドゥロス広場(解散12:30) ※ツアーは、午前午後の一日2回催行とのこと ◇ウジュピス共和国 全てがジョークの国。例えば独立記念日は4月1日(エイプリール・フール)といった具合。 共和国憲法というのもあって、これがなかなか良くできている。憲法は36か国語に翻訳されて、広場の壁に掲示されている。 その日本語版 ⇒ ◇ホステル ミカロハウス(Sv. Mikalojaus.
g 3) 町の中心に近く、オーナーやスタッフの感じも良く、朝用意されるクロワッサンが非常に美味しく、お勧め。 ひとつだけ注意点。ホステル入り口のドアの解錠が、コツが要ります。言葉で説明するのは難しく、鍵を受け取ったら、出かける前にちゃんと解錠できるか確認を。 |
◇アクセス 鉄道駅/バスターミナル周辺は、下町的な活気に溢れている。見当をつけて下っていくと、やがて旧市街の入り口、「夜明けの門」に至る。 ◇町の造り 夜明けの門をくぐると通りが伸びていて、緩やかにカーヴする通りは名前を変えつつも2km弱続く。道なりに進んでいくと30分ほどでカテドゥロス広場につき当る。旧市街の地理はこの通りを軸に考えることになる。 その途中に市庁舎広場があり、旧市庁舎が立つ。i はその一階にある。 ◇不思議な町 夜明けの門をくぐると、右に左にかなりの規模の教会が並ぶ。ドイツやフランスの地方都市のように町の中心にどーんとゴシック教会があって辺りを睥睨しているといった感じでは無い。ロシア正教であったりウクライナ・カトリックであったり、形式も多種多様。夜明けの門付近のように、教会がひしめき合っているといった風情のところもある。 旧市街は道のつき方こそ迷路状であるものの、建物は概して新しく、例えばイタリアの丘上都市のような一歩足を踏み入れればそこは中世という感じでは無い。城壁に囲まれている訳でもないから、訪問前に町の地図を見たとき、町が漠然と広がっていて、とらえどころない印象を受ける。 中世色が薄い一方、祭壇の前に3名の聖人の遺体が並んで寝かされているのが生々しい聖霊教会を初めとして民族性を感じさせる教会がいくつもある。町のど真ん中にヴィルニュス大学があり、堂々たる王宮前広場もあり、はたまた「ウジュピス共和国」なる前衛的エリアもある。とらえどころないながら、歩いているとじわりじわりと居心地の良さが増してくるのであった。 ◇ゲティミナスの塔 旧市街全体を見下ろす。上から見ると、案外緑が多い。 展望台としては、大聖堂の塔よりずっといい。もっと高い展望台としては、三つの十字架の丘がある。 塔の内部は歴史博物館になっていて、ヴィルニュスーリーガータリン間600kmを200万人が手をつないだ「人間の鎖」の写真を見ることが出来る。 ◇聖ペテロ・パウロ教会 大量の白いレリーフは圧巻。旧市街からだと川沿いに2kmほど歩くが、早朝から開いているので、朝の散歩(orジョギング?)にどうぞ! ウジュピス共和国憲法(日本語版) 検索して、是非全文読んでみて下さい |