オリエント体験  モスタル

(データ:2018年6月)

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スターリ・グラドから旧市街とネレトヴァ川を見る

 

 

◇町の造り

 

ネレトヴァ川の存在が象徴的で、その東側、つまりバスターミナルのある側がムスリム地区、西側がクロアチア人の居住地区。宿泊したアパートメントの人によると、西側に行くことは無いし、クロアチア語も分からないとのこと。 別に仲が悪い訳ではないと言うのだが、凄惨を極めた内戦の傷跡が消えるのはもっと長い年月が必要な筈で、民族、政治、宗教の話をするなら状況を見てした方が良さそう。服装からして、露出度の高いドゥブロヴニクから来ると様子が一変した。

 

観光の中心はモスリム地区。トルココーヒーを前に喫茶店で声高に話す人々、モスクのミナレット、茶色の金属の皿を売る店が並ぶスークなど、異文化圏に来たなと思わされる。新市街ですら旧東欧的な感じとアラブ的な感じが混ざっていて面白い。

 

旧市街ではトルコの家やコスキ・メフメット・パンナ・ジャミーヤ(モスク)を見たが、墓場の墓石が見たこともない形であったりと、あれこれ発見しながら歩くのも楽しそうだ。私は行かなかったが、スターリ・モストの真東、急坂を上がっていく一帯(博物館や時計塔があるようだ)も面白そうであった。

 

 

◇町のシンボル スターリ・モスト

 

 ネレトヴァ川が二つの民族の居住区を分断している、その川にかかる橋という象徴的存在。内戦の時に砲撃され全壊。川の中から瓦礫を拾い集めて近年再建されて世界遺産となった。

 

 橋の上からネレトヴァ川にダイヴするのが名物になっている。また橋の両端の塔は博物館になっていて、私は西側の塔で内戦当時の写真や映像を見ました。なお、橋の西側に進むと観光客向けレストランがいくつかある。

 

◇ビール飲むなら

 ムスリム地区の新市街には喫茶店がいくつも見られるが、私が行った6月、ひどく暑いのに皆が前にしているのはコーヒーやジュース。試しにひとつの店でビールありますかと尋ねてみましたが、固い表情で首を振られてしまいました。橋を渡って西側地区に行き、ようやくビールにありついたのでした。

 

◇アクセス

 

クロアチアドゥブロヴニクからバスで3時間余。ボスニア・ヘルツェゴビナは内陸国でありながら、僅か数kmの海岸線を持つという変わった形をしていて、その為に国境を3回越える。車中係官が回ってきてパスポートを集めるが、審査自体はスムーズであった。(返却されたパスポートを見るとスタンプが押されていた)

 

 首都サラエボとの間は鉄道が通じていて、朝夕と一日2往復の便がある。3時間弱。鉄路はさらに伸びて、アドリア海岸クロアチアのプロチェに至る。しかしこれは列車旅ファン向けであって、この国でも利便性はどう見てもバスが勝りそう。

 

 

◇旧市街アクセス

 

 バスターミナルは鉄道駅に隣接する。バスターミナルの建物を背に左方向に進むとすぐに新市街。そのまま進むと両側にモスクが見えてきて、旧市街に入っていることを知る。やがて町のシンボル「古い橋」スターリ・モストに至る。止まらずに歩けばバスターミナルからここまで20分ほど。

 

西側の塔よりスターリ・モストを見る

 

◇宿について

 

 安い民宿が多数あるが、町の中に宿のサインは皆無で、自力で見つけるのは困難。予約サイトで見つけるか、でなければi に直行した方が良さそう。

 

◇公衆電話

 

 バスターミナルからスターリ・モストに向かう途中の新市街にある郵便局の中にあります。オフィス内にある年代物の電話ボックスで、見るだけでも価値があるかも。

 

 

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