女王の橋 プエンテ・ラ・レイナ

(データ : 1991年1月)

◇プエンテ・ラ・レイナ

パンプローナののお兄さんは“何しろプエンテ・ラ・レイナには道が4本しかないんだ。地図は要らないよ”と言っていたが、成る程、上の写真の通り小さな町である。川にかかる橋が、この町の名にもなっている女王の橋。11世紀建造の風格ある姿とはいえ、ヨーロッパならどこにでもある橋のひとつに過ぎないように見える。ところが、このプエンテ・ラ・レイナはこんな小さな町でありながら、サンチャゴ巡礼の道のピレネー越えの複数のルートの合流点である。中部ヨーロッパからはるばるやって来た巡礼者たちはこの橋を渡ってサンチャゴを目指したのである。

この橋がサンチャゴの町外れにあって町への入り口になっているのならどうということは無い。しかし、イベリア半島の付け根、ピレネー麓にあるこの町からみれば、イベリア半島北西端のサンチャゴ・デ・コンポステーラまでまだ気の遠くなるような距離がある。そんな位置にありながら、巡礼者たちが一様にこの細い橋を通過して行ったことが何か不思議な気がしてならない。

 

◇プエンテ・ラ・レイナ(その2)

町の側からこの橋を渡ると向こう側は耕地である。ちょっと小高くなっているので、上がって行くとよい。山々を遠景にこの町を見下ろすことが出来る。(上の写真)また、かの地の農耕の様子が見て取れるのも興味深い。

 

TRUCHA DE NAVARRA

ナバーラに来たからには一度は、と思っていたのだが、この町で挑戦。ますにハモンセラーノをのせて焼いただけのシンプルな料理であるが、できたてのアツアツにレモン半個分絞ってかけて、実に美味であった。町に入る1キロほど手前にキリスト受難の教会がある。そのそばのJAKUEという、結構ちゃんとしたレストランであったが、どれも美味しく、料金も2000円程度でリーズナブルでありました。

◇アクセス

牛追い祭り(サンフェルミン祭)で有名なパンプローナからバスで40分ほど。この辺りはもうピレネー山脈に近く、地形が複雑で、風景がドラマティックで飽きない。特に帰路に通った道が、高い峠を越えて下ってゆく耕地にバサッと毛布を広げたような微妙な起伏があって、遠くのゴツゴツした山々との対比も良く、素晴しかった。

 

◇アクセス(その2)

帰りのバスの乗り場は、来たバスを降りる時に運転手に聞いておくのが基本動作。しかしバス停というものが無く、何時に出るのかも含めて何かと不安なので、何人か人に尋ねることになる。この時は、カフェコンレチェを飲みながら尋ねたbarの親父の返事、“この店の前で2時半に待ってろ”というのが最終的には正解であった。パンプローナのの情報は微妙に違っていたし、人は概ね親切でいろいろ教えてくれるのだが、判断には毎度悩まされる。

 

◇パンプローナ

5,6階建ての建物がぎっしりつまる旧市街は、全体として煤けたような黒のイメージ。全ての建物の全ての階についているバルコニーの手すりが黒色であるのが印象的であった。落ち着いたいい町だと思うが、この町の魅力はやはり取り囲む山々の遠望にあると思われる。私は城壁のテラスに腰掛けて夕日を見ました。

 

 

女王の橋

 

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