トレド風景
(データ:1984年1月)
タホ川とアルカンタラ橋 右が駅の方向 右から左に渡ってトレドの町に入る トレド風景 中央左寄りはカテドラルの尖塔 右はアルカサル 写真には写っていないが、この光景は町の奥や左右に 荒涼とした大地が広がっていることで完結する 尚グレコのトレド風景は色調を異にする |
◇アクセス マドリッドから列車で1時間半。アランフェスを経由する。駅は例によって町の外にあるが、右の方向に歩いてゆくとやがてタホ川にさしかかる。中世のアルカンタラ橋がトレド世界への入り口である。 因みにタホ川はイベリア半島最長の川で、流れ続けてポルトガルのリスボンで大西洋に注ぐ。テージョ川がそれである。 ◇大観光地 町中観光客がぞろぞろ歩き、レストランなども完全に観光客相手。エルグレコの家では失業対策としか思えないほど大勢居る係員が口々に「ショクドー(食堂)」とか「(階段を)アガリマショー」とか世話を焼いた挙句、セイコーは素晴しいとかいいながら腕時計の交換をもちかけてきた。 しかしそれにしてもこの町は訪れる価値がある。ベネチアあたりも随分ひどいが、トレドもベネチアもそういうことを問題にしない価値があるのだ。 ◇トレド風景 迷路の如き中世都市の内部を歩き回るのは素晴しい体験で、さらにアルカサルなどモニュメントの見学も充実しており、ガイドブックを持って出かけると良いと思うのだが、ここでは町の外からトレドの全景を眺めることを提案したい。 アルカンタラ橋を渡り、駅方向とは反対、左に進むと道はタホ川に沿って町と対峙しながら半周し、西側のサンマルティン橋に至る。この間、道の左側はゴツゴツした岩の露出する崖である。私は20分ほど歩いたあたりで崖の上に奇妙な形をした岩があるのを見つけどんどん上っていった。この岩は誰かの墓石のようであったが、その後ろに巨石がありその上からの眺めが絶品であった。(左の写真) |