スペインのこと

 

スペイン編スタートにあたり、スペインで撮った写真を整理していますが、フレームの中の光景がとても新鮮に感じられる。というのもこのHPは2ヶ月前にイタリア編からスタートしており、この間、イタリア都市の写真を見続けた為である。同じ地中海世界であってもイタリアとスペインではこんなに違うのかと改めて認識させられた次第。

 

さて、スペインであるが、私が訪問したのは、1984年、1990年、1992年の3回、いずれも冬で、後の2回は正月を挟む時期である。古い上にシーズンの偏りがある。しかし、トップページの「こんな人に」に書き加えたように、印象記として利用してもらえれば、そこに情報としての意味もあるのではと思う。では、都市編に入る前にいくつか雑感を。

 

◇治安について

今、私自身が正確な情報を最も欲しいのがこの点。最近行っていないので実感がないのだが、「歩き方」等によると強盗事件が多発しているらしい。ヨーロッパは基本的に安全で、少なくとも自分が気をつけていればトラブルに遭う危険はかなり低い。そのヨーロッパで、スペインのこの手口はとても凶悪で違和感がある。マドリッドのコロン広場などは空港バスが到着するところであり、スペインに好意を持って訪れた外国人を狙うとはタチが悪い。観光収入のウエイトの高い国なのだから何とかしてくれる筈とも思うのだがどうなのだろうか。

 

◇旅行者物価について

かつては旅行のし易さを実感できる国でした。ワイン一本付けたフルコースが500円、hostal(オスタル=スペインの安宿)が一泊1000円でおつりが来るといった具合で、殆どやりたい放題できました。私の行動に最も影響を与えたのが飲酒で、ワイン一本100円とあっては歯止めが効かず、毎日2リットルずつ飲んでいたのでした。(あの頃に戻りたい)

その後、ペセタはユーロに統合され、この間もインフレが続いたでしょうから今はどうなっていることか。ただ、ピレネーを越えればアフリカといわれた後進性がスペインの魅力の元でありますから、恐らくは相対的には変っていないのでは。

 

◇スペイン語について

ヨーロッパ(旧西ヨーロッパ)の中で最も英語が通じない国である。Excuse  me? と話しかけると逃げられてしまうので、旅の必要上、旅行用語は覚えさせられてしまうことになる。最終的にはこちらが金を払う立場なのだから相手は付き合ってくれるわけで、Porfabor Senor, donde esta la estacion? (すみません 駅はどこですか)などは覚えられたのが嬉しくて連発したものでした。本当に困れば英語で頑張らなければいけませんが、一つ一つの相手の言葉をつかまえて真似して、相手の反応を確かめる作業は大切で、また楽しくもあります。

 

◇レストランでの食事について

バックパッカーでありますから、物価高の中部ヨーロッパにおいては、食事はスーパーマーケットで食材を買って、公園でピクニックというスタイルでしたが、スペインに来てレストランの魅力に開眼。町を歩いていて昼飯時になるとにんにくをオリーブオイルで火にかけるいいにおいが漂ってきて、思わずレストランの看板を探してしまいます。(このことはイタリアなどでは体験しない)

安いばかりでなく、味もとてもよいです。誰もが食べるパエジャ(本当は祭礼料理で日曜日に食べるもんじゃとスペインの親父に言われましたが)だけでなく、地方ごとに特色ある料理があります。因みに私の好物は魚のスープsopa de mariscos です。尚、懐との相談ではありますが、ツーリストメニューは、観光地にはパエジャをメインにするようなひどい店がありますし、platos combinados (ファミレス料理みたいなもの)を頼むぐらいなら、マーケットでオレンジでも買ってかじっていた方がましとしたものです。

 

◇barについて

スペイン旅行の魅力を考える時にbarの存在は欠かせない。イタリアではバールというのに対し、スペインではバルと力強く発音される。発音ばかりでなく、雰囲気も少し違う。かつては、吸殻やティッシュなどを床に捨てるのはOKで、床が汚れているのが良い店の目印といわれていましたが、今はどうでしょうか。町中いたるところにあるので、のどが渇けば立ち寄り、カフェコンレッチェ(フランスでいうカフェオレ、ガラスのコップで出てくるところがいいんだな)やグラスワインを発注、くいっと飲んで、アディオス!の挨拶と共に出てゆく気合が、やってみるとやみつきになりますよ。

 

◇ハモンセラーノについて

やみつきというとこれですね。Barの天井にぶら下がっているあの姿がたまらない。赤ワインに合うのはもちろんですが、スライスしてただバゲットにはさむだけで何であんなにうまいのだろうと思います。

ところで、ここまで書いてきて、飲み食いの話ばかりしか頭に残っていないことに我ながら呆れ、おのれの卑しさを恥じつつここで中断します。その他のことは町情報シリーズにて。

 

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