ロンダ

(1992年12月)

崖の上につくられた町

 

写真では曇っているが、前日の夕方ロンダ駅に到着、町の中心に向かって歩く時、丁度西日を正面にする格好となり、冬場にしてその光の強さ眩しさは、アンダルシアの地に自分がいることを強く感じさせられました。

 

 

新橋から下を覗く

 

下は谷底でもなく、獣馬通わぬ不毛地でもない、というところにロンダの面白さがあると思う。周囲は農地で、道路も人家もある。馬を連れた人が細い道を進んでいくのが見えた。

 

◇アクセス

鉄道ではグラナダーアルへシラス間にあり一日数便。アンダルシアで鉄道で行けるのは、せいぜいロンダクラスまで。さらに小さな町や村となるとバスを使うことになる。しっかりしたバスターミナルを見つけたら、情報収集に努めること。ロンダは東西方向は鉄道でいいが、地中海岸(コスタ・デル・ソル)に抜けるにはバスしかない。(サンペドロ行き。山越えの絶景ルートです)

駅から右方向に歩くと、途中バスターミナルを経由してT字路に至る。これを左折して直進すると、闘牛場を経て、新市街と旧市街を結ぶ新橋に至る。

 

◇旧市街

アラメダ・タホ公園から見る切り立った崖の上に立つ町並みの印象、新橋から下を覗き込んだときの高度感と空間的な仕掛けに圧倒される。町の中に入ってしまえば、アンダルシアの白い家の路地の世界で、川面と近づくローマ橋の方向に下っている。旧市街はなんとなく人の生活の気配が無く、シーズンオフとあっては観光客の姿も無く、南イタリアはマテーラの廃墟サッシを連想した。特にアラブ橋の辺りはごつごつした岩肌もあいまって、すさんだ味がある。

 

◇宿について

旧市街は見当たらなかったが、新市街は数多くある印象。

私は、名前を覚えていないのですが、新橋の新市街側のたもと、崖側という絶好のロケーションにあるfonda(安宿)が気に入りました。白い壁の典型的なアンダルシアの家で、声をかけるとシエスタ中だったか、パジャマ姿の若い女性が眠そうな顔で出てきました。部屋は狭いが眺めはよし。

この宿、音が筒抜けで、始め子供の騒ぐ声や戸の開け閉めの音が気になっていたのですが、夜が更けてきた時に、アンダルシア民謡なのか家の人のテレビに合わせて歌う声がもれ聞こえ、部屋が急速にアンダルシア情緒で満たされたのでありました。

                 

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