インターラーケン/グリンデルワルト

(データ:1984年1月)

雪のインターラーケン

 

◇グリンデルワルド

山との距離の近さという点ではツェルマットに相当するのはグリンデルワルトか。ここまで来るとアイガーなど世界的に有名な山を目の当たりにする。

ルートの豊富さに加え、天気次第であることと登山鉄道の料金の高さがあって、トレッキングルートの選択が悩ましいのは、ツェルマットと同様。インターラーケンにいても臨場感がないのでとりあえずグリンデルワルトまでは上る。登山鉄道はユングフラウヨッホまで行っているが(終点の標高は何と3454m)、私の感じでは、往復するだけではもったいないような…

 

◇白いアルプス

私が訪れたのは一月。迷った末、クライネシャイデックまで上りました。白一色の世界。濃い青の空にアイガー北壁、ユングフラウ、メンヒとくっきりと巨人の並ぶ姿は壮観。

皆がアルペンスキーを楽しむ中でザック姿をさらすのはなかなかつらいものがあり、また実際、雪上を歩き回るにも限度があって、一時間もすればやることがなくなってしまったのですが、それでも現地の空気を呼吸していることの充足感はすばらしく、行った価値はあったと思います。

因みに冬場の登山電車は上りは満員ですが、下りは無人。私ひとり電車に揺られながら、格好良くシュプールを描いて滑っていくスキーヤーの姿に見とれておりました。ただ光線がかなり強く、目をつぶされないよう、しばしば車内に目を向けている必要がありました。

◇インターラーケン

近接する2つの湖の接点にあるのでインターラーケン。ツェルマットと並ぶアルプス観光の基点である。もっともツェルマットがすでに山の中に入っている感じであるのに対して、インターラーケンは下界のイメージ。さして見どころのある町ではないが、私が訪れたのが冬であったせいか、雪国の清澄さがあって好印象。

 

◇インターラーケンの宿

Ost駅でYHの所在を尋ねたら渡されたのが、Balmer’s  Hostelのカード。左手に雪原を見つつ歩くこと20分。着いてみるとYHではなくスチューデントホステルであった。典型的な若者宿で、スタッフも若く、音楽が流れ、夜にはベット・ミドラーがジャニスを演じた『ローズ』が上映されていた。ドミトリー朝食込み11Sfrと安く、各種チケットの割引販売や観光アドバイスなど至れり尽くせり。ただ、アメリカ人が多く、私の英語力では中に入りにくかった。

後で気付いたのだが、この宿は当時の『歩き方』に載っていた。そこに「ウエストコーストにいるみたい!」という好意的な意見がある一方、『歩き方(スイス編)96〜97版』では「アメリカ人だらけでうるさい」と投書されている。現在の『歩き方』の編集方針ではこの宿は取り上げられていないだろうが、試しにネット検索したところ、健在のようである。(宿のHPによると現在はドミトリー24Sfrでやはりかなり安い)

 

 

雪のアルプスと登山電車とスキーヤー

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