サンレオーネ

(データ : 2003年 4月)

地中海

始めて地中海を見たのが、1982年夏マルセイユで、以来、天気の良い時の、なかなか日本の海では見られない独特の色に魅了されています。因みに日本では北オホーツク(道北は浜頓別辺り)の深い紺色が独特だと思うのですが、太陽光線の具合でしょうか、海水の成分が違うということもないでしょうし不思議なことです。さて、サンレオーネはアグリジェンドからスロープを下って地中海に至る浜辺の町です。夏の間は海水浴場になり、保養地然とした雰囲気で、のんびり海を見ていたい、シーフードを肴に白ワインを飲みたいという人にはいいと思います。

 

◇アクセス

アグリジェンドの駅前から、1番、2番、3番のバスはいずれも考古学地区へ行きますが、このうち2番(2/でもOK)のバスに乗り続けると、10分ほどで到着。

 

<イタリア人はやっぱりイタリア人という話>

パレルモのところにちょっと書いたミラノからの旅行者に会ったのがここサンレオーネでした。いつ来るとも知れぬバスを一緒に待っていました。長時間待たされたおかげで、いろいろ話が聞けて面白かったのですが、旅行関係で役に立ちそうなところをピックアップすると、

@     シチリアは旅行が難しい。その理由は、今のように予定通りにことが運ばない(このバスはもっと本数があり、本来こんなに待たされる筈はなかった。しかもノーインフォメーション)ことと、シチリアの人が親切ではないことだ。(イタリア人にしてそうなら日本人はどうなる? ただ、言葉はミラノとシチリアとでも多少違うらしい。)

A     しかし、物価はミラノより安い。ピッツェリアはここなら、10ユーロで済むが、ミラノでは20ユーロは払うことになる。

B     パレルモは危険。特にヴィッチリアは昼間でもバッグやカメラをもっていかないこと。

 

さて、本題はこの後、ようやく現れたバスのドライバーが、案の定、車内ではチケットは売れないと突き放してきたところから始まります。ヨーロッパの交通機関では、チケットを買って乗るということに関して、日本の感覚よりずっと厳格で、イタリアでは実際には無賃乗車は多いと思われるものの、正面きっての話となると融通がきかないところがあって、チケット関係は苦労させられます。で、一瞬困った訳ですが、共に乗り込んだそのミラノ人が女性ながら、即座に、タバッキ(KIOSK)が閉まっているのだから買える訳がない、大体、時間通りに来ないものだからこんなに待たされたと応戦。その迫力たるや、さっきまで穏やかな笑顔で話していた人と同一人物とは思えぬほど。丁々発止のやりとりの後、先に座席についていた僕のところに来て、「アグリジェントに着いたらそこのbarでチケットを買って、ドライバーに見せるということで話がついた」とにこやかに報告。

十数分後、アグリジェントに到着。行きにチケットを買った、キオスクが閉まっていたので、彼女にそれを言うと、「barなら駅よ」とにこやかに答え、chao!と笑顔で言って去っていった。成る程そういうことかと思ったが、そこは日本人、真面目に駅構内のbarでチケットを購入してバス乗り場に戻ったところ、運転手の方もどこかに消えてしまっていた。何のかんのいいながら、あっちがイタリアーノならこっちもイタリアーノ。僕の手の中の未使用のチケットだけがぽかんと馬鹿みたいに取り残されたのでありました。

 

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