アグリジェント

( データ : 2003年 4月 )

ジュノーネ神殿を望む

 

◇宿について

観光地である割には宿が少ない。神殿群を歩きまわるあの大勢のツーリストをどこに収容しているのか不思議。特に町なかにホテルの看板が少ない。

HOTEL BELVEDEREは、数少ないと思われる安宿の一つである上、名の通り部屋からの眺め(眼下に駅前広場、遠くに地中海)が良く、お勧め。バスなし37ユーロ。行き方だが、この宿は「歩き方」に出ているのだが、私はそのことを知らずにバスターミナルからホテル探しを開始し、目に入った案内板の矢印に従って進んで成り行き任せで着いてしまったので、多分、すぐ分かると思います。

 

◇レストランについて

アテネア通りから入った小道に、手頃なレストランがいくつかあります。マンハッタンとかブラックホースだとか、なんでまたと思うような品のない名前だったりしますが、そこは客はすべてツーリストの観光地の気安さで、一人旅でも入りやすい。イワシのパスタなどの皆が食べるシチリア名物など、基本的にどの店で食べてもそう外れはないと思います。

 

◇旧市街

アグリジェントといえば考古学地区となりますが、アテナイ通りからドウオモにかけて上り詰める斜面につけられた迷路の如き旧市街もなかなかの味があります。右の写真はそのひとこま。

 

◇電話

シチリアの旅の不便さについてはパレルモのところで述べましたが、この電話についても悩まされました。カードの端を折って使う普通のテレフォンカードが、どういうわけかここシチリアの公衆電話は受け付けてくれないのです。事情がよく解らないので、私は、人に尋ねたり、あれこれ試行錯誤したり苦労させられました。結局、やむなくホテルのブースでかけたことが一回、そしてここアグリジェンドでは、カードをスクラッチしてその番号をダイヤルする方式でかけました。これはKIOSKの兄ちゃんがシチリア人には珍しく気のいい人で、店をおいて出て来て手伝ってくれたので出来たのですが、そうでもなければあれは外国人にはツライ。

アクセス

トラーパニからのプルマンは4時間。この路線はマルサラ、マザーラ、セリヌンテ、シャッカなど、中堅どころの都市をつなぐので、シチリア西部をじっくり見て回る人にはお勧め。

 

◇何故アグリジェントか

という類の疑問がシチリアにつきまとうと思うわけです。例えば、イスラム文化の影響といってもパレルモのアラブ建築はアンダルシアのそれとは比べようもありません。シチリアに散在するギリシャ神殿にしても同じことで、ギリシャ神殿見るならギリシャに行くわなー、と思っていました。

しかし、アグリジェントの魅力は、一つ一つの神殿にあるのではないのでした。町は海と数キロ離れているのですが、この数キロの間は開けた緩やかなスロープになっていて、都市建設に最適の場所だったはずです。この大きな空間に距離を置いていくつかの神殿が残されています。どこに立っていても地中海が眺められ、さわやかな風が吹き抜けていきます。この仕掛けの大きさは、性格は全く異なりますが、パリの大仕掛け(このことはフランス編にて述べたいと思います)を髣髴とさせるものがあります。

歳月が造る芸術作品?

 

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