洞窟住居 マテーラ

(データ:1991年12月)

FH000014

サッシ光景(サッシ展望台から)

一度は見る価値がある天下の奇観(世界遺産)

 

◇アクセス

バーリから私鉄のローカル線に乗る。オリーブ畑が続き、円形の石積みの小屋が散在する南イタリアの農村風景を眺めて2時間ほど。

バーリは地下駅で、地上に出ると新市街。サッシの看板を辿って旧市街を目指す。(15分ほど)

 

◇宿について

「歩き方」最新刊を見ると、サッシ地域内にYHがあり、盗難に気を警戒しなければいけない面倒はあるが、ロケーションからして面白そうだ。

私が宿泊したのは、プルガトリオ教会前のイタリアという名の三ツ星。安くはないが、気分が滅入っていたので・・・。新旧両市街の境に位置し、便利で快適な宿ではある。

◇サッシ

工業化、都市化が進む北イタリアに対して、後進地域、貧しい南イタリア。学校で教わったこの図式が、なるほどこれのことだったかと思わされるサッシの光景である。

左写真の住居は比較的建物の態をなしているが、町外れの山肌にあるものは文字通り洞窟同然であり、陰惨な感じがする。貧民窟といえば、私はモロッコやアルジェリアのカスバを歩いたことがあるが、あの活気はここにはなく、打ち棄てられた廃市の趣である。

冬に訪れたせいだと思うが、廃市に人影は少なく、案内をすると声をかけてきた男は断ってもついて来る。歩いて行く先の岩山の上に別の男が立ってこちらを見ており、ちょっと不穏な空気であった。

マテーラを訪れるのは南イタリアの強烈な陽光が降り注ぐ夏場をお勧めします。滅入るばかりの冬と異なり、南イタリア情緒を満喫できるのではと想像します。

FH000006

戸や窓が黒い穴に見えて不気味

住人の多くは新市街に引っ越し、大半は無人

イタリア編の表紙に戻る   トップページに戻る