Trani トラー二

(データ:2015年6月)

 

yjimage海際に建つカテドラーレ

 

◇カテドラーレが素晴らしい

 

 青い海、青い空と共に立つ白亜のロマネスク教会の姿は実に素晴らしい。前の広場の海側に並ぶベンチに腰掛けて教会や海を眺めるのは至福の時間でありました。

 

 上の写真で、上下二つの入り口が見えているが、教会内部は2層構造になっている(入れなかったが、本当はさらにその下、水深2mのところにクリプタがあるらしい)。上部の教会はすっきりした美しさがある。今日は結婚式があるようで、式次第のようなものを書いた紙が各席に置かれていた。

 

お勧めは、上の写真でカテドラーレの左に見える突堤の先まで行って、港越しにカテドラーレを振り返ること。海と共にあったカテドラーレを旧市街を背景として眺めることができます。カテドラーレの背部、三本の円筒形が張り付いた姿も、側面の大きなアーチ並ぶのも均整がとれて見ていて気持ちがいい。

 

もう一つのお勧めは夕暮れ時。広場前のベンチに落ち着き、波の音を聞きながら、広場のかなり大きな空間を鳥が飛び交うのを見、カテドラーレが夕闇に包まれていくのを見るのは印象的な体験でした。

 

 

◇旧市街について

 

 港からカテドラーレ、その先のカステッロ(公開されていないようであった)に至る陸側に広がる。適度に高低差も湾曲もあり、道をまたぐアーチも頻繁に現れ、歩き心地の良い旧市街である。

 

旧市街には教会がいくつかあるが、港に面して建つ(入り口は港の前の道から一本入った道の側)オンニサンティ教会は雰囲気がある。脇のアーチの通路を通って十字軍の兵士が出兵していったとのこと。現在は鉄格子がはまり、その向こうに港が見える。

 

 

 

◇港町

 

 右にエピソードを書いてみましたが、この町は港の風景も捨てがたく、右の宿ならそれをフルに堪能できます。窓からの光景だけでなく、差し込む強い日射しは港町であることを実感します。洗濯物はあっという間に乾いてしまいました。

 

たまたま土曜日の夜の宿泊だったので、遅い時間帯、部屋から見下ろすと、港の前の道は右へ左へ行く人の群れでぎっしり。後から後から際限なく湧いてくるその量に感嘆。ごうっと聞こえるそのざわめきはバールから流れてくる大音量の音楽に負けていない。23時すぎ、私も表に出て、その群衆の一人となってみました。肩や足を露出したり、体の線が見えたりといった格好良い女性が多く、またこれも南イタリアの傾向か、この時間にして子供の数もかなりある。何しろ一人で歩いているのは私ばかりで、阿保らしくなり早々に退散。2時になっても、人の量は変わらず、路上のテーブルも満席。

 

 そして翌朝、窓から明るい日が射し込む。港では漁船が動いていた。前の道では、台の上に魚を並べて売る人が何人か。爽やかな光景であった。

◇アクセス

 

 バルレッターバーリ間。バルレッタから列車で数分。チケット代は1ユーロでした。1ユーロの乗車券を手にしたのは初めてかもしれない。

 

 駅から、駅を背にして正面の道を進むと、10分余りで海に臨む公園につき当る。港を挟んで、左手にカテドラーレが見えて、旧市街との位置関係が分かります。

 

 港沿いに歩いて旧市街を目指しましょう。途中、B&Bのサインもあり、条件が合えば、荷物から解放されることになります。なお私はの所在を確認することができませんでした。

 

 

 

◇宿について

 

 booking.comを見てみると、結構数はあるが、全般的に料金は高め。概ね40ユーロ以上で、40ユーロ台の宿も限られるようだ。

 

私が泊まった宿も40ユーロであったが、港に面した好ロケーションなので紹介したい。ただし名前も分からず、booking.comでも扱っていないようである。

 

港の前の道にB&Bの看板があるも、古ぼけた三階建ての階段を上がっていっても、一切表示なし。表に出て、そのすぐ先(カテドラーレ寄り)の食堂で訊いてみると、そこの爺さん夫婦がやっているらしく、携帯で奥さんと連絡を取ってくれた。先ほどの建物の最上階が夫婦の自宅のようで、その一室に入る。トイレシャワー共同だが、この宿に泊まるもの好きはいないようで、好きなように使えた。しかし、港のほぼ中央に建つこの建物の、部屋からの眺めは素晴らしく、まさに私の理想「窓を開ければヨーロッパ!」なのでした。

  ・・・港の中央、B&Bの看板とそのすぐ先の食堂が目印

 

 

 

◇港と白ワインとイタリア語と

 

 宿に戻るとき、食堂の爺さんが、私に気付くと片手を挙げて声を掛ける。最初に声を掛けたとき、シニョーラを待つ間、結構長い時間話していたのだ。後で昼飯を食べに来いとも言われていたのだが、この爺さんが作るのかと思うと気乗りせず、代わりに、夕方通りかかった時に、昼間座って話していた、食堂の入り口脇の椅子に腰かける。

 

 白ワインを飲みながら、港や、前の道を行きかう人を眺める時間は心地よかった。食堂の中は地元の人らしい家族連れがひと組、食事していて、爺さんも横の椅子に腰かけて、盛んに大声のイタリア語が通りにこぼれてくる。なくなると爺さんが継ぎ足しに来る白ワインは、決して美味しいものでは無かったが、雰囲気が良くて気にならない。いい気持で煙草を吸っていると、通りかかったカップルの男の方が、敬称なしで“Hai una cigaretta?(煙草、持ってる?)”と声を掛けてきたイタリア語も心地よく響いた。

 

 長い時間を過ごして立ち上がり、爺さんが言った値段を50(セント)と聞き誤り、安いじゃないかと1ユーロコインを渡すと不満そうな顔をしている。あのワインで5ユーロも取るかと思いながら、今持っているのはこれだけだと手のひらにい小銭を乗せると、その中から1ユーロコインを3枚つまんだ。

 

 

 

◇外部サイト (写真など)

http://www.beach.jp/circleboard/ac48590/topic/1100093939946

http://blogs.yahoo.co.jp/minamiitaliakara/31595422.html

 

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