飛行機に乗る

 

@何より重要なこと  = 予定通り無事に帰国すること

トラブル防止のために、私は次のようなことをしています

○リコンファームを入れる 

現在はリコンファーム不要の便も多くあるが、そうであっても入れる。航空会社もコンファーム不要としつつも電話をするとこちらの名を尋ね、確認してくれる。他にも当日の出発時間の変更はないか、市内交通や管制のストライキが予定されていないかなど、必要なことを尋ねる。

上記は「万が一」に備えてのことであるが、状況によってはもっと真面目にやらなければいけない時もある。SU(アエロフロート)でアルジェリアに行ったとき、どうも気になって、アルジェのSUオフィスまで出向き、私の名の入った搭乗者リスト(コンピューターの打ち出し)にマネージャーのサインを入れてもらったこともあった。

 

○帰国前日は、出発地へのアクセスのいいところに宿泊する。

特に社会人の場合、短い旅行期間をできるだけ有効に使いたい。だからといって、ヨーロッパ大陸の片隅にぎりぎりまでいて夜行列車に乗って翌日のパリ発に間に合わせる、というのはやはり「万が一」が怖い。

私はかつて、ノルウェーのアビスコ(北極圏)から夜行2連泊でコペンハーゲン発の飛行機に間に合わせる積もりでいたところ、徐行運転を続けていた列車ついに動かなくなり、天を仰いだことがありました。何しろコペンハーゲンから2000km北のラップランドのど真ん中での車両故障です。あの絶望感は十分に教訓になりました。

 

○空港には余裕を持って到着する

万が一というのは、万にひとつということであって、大抵は何事も起こらない。空港でヒマを持て余し、なあんだということになるのですが、それはそれで仕方ないと割り切りましょう(自戒)。オーバーブッキングなどよくあるようで、ボーディングパスを手にするまでは油断大敵。格安航空券であればなおさらです。

 

 

(事例紹介)

私の身に起こった最悪のトラブルは次のようなものでした。

[経緯]

・エジプトのカイロ空港でタイ航空バンコック便に乗ろうとしたところ、フライトキャンセルの表示

・タイ航空の職員の説明 「エミレイツ航空に搭乗し、UAE(アラブ首長国連合)のドバイに行ってください。ドバイで、フィリピン航空のバンコック便がヨーロッパから飛んでくるから、これに乗り継げば当初予定のバンコック発成田便に間に合います。」

・言われたとおりドバイに飛ぶ

・ドバイに着いてみると、乗れる筈のフィリピンエアー機が24 hours delayであるという説明。例え24時間後に乗れたとしても元の成田便の接続に間に合わないし、来るかどうか自体怪しい話で実質的に白紙に戻ってしまっていた。

[状況]

・タイ航空の責任においてドバイに来ているのに、当事者であるタイ航空の事務所がドバイにないというのが問題であった。私のチケットはルート変更もキャリアの変更も認められていない格安航空券で、表面的には私の立場は宙ぶらりん。

・心強かったのは、運命共同体となった仲間が何人もいたこと。対処の仕方にお国振りが表れて面白かった。ドバイ空港側も余計なお荷物を背負い込んでしまった格好で弱っている。

[解決]

・飛行機はアジア大陸の上を様々なルートで飛び回っているわけで色々な選択肢があるはずである。断続的にカウンターに立ち、空港職員相手にひとつひとつ可能性を当たる。

・丸一日経過した頃、2日後に出るCX(キャセイパシフィック)機が東京まで我々を運ぶということで合意。

・翌日、念の為CXオフィスに出向き、マネージャーに面会。確約を得る。

・ドバイ⇒ボンベイ⇒バンコック⇒香港(泊)⇒台北⇒東京の各駅停車で、当初予定より4日遅れて帰国

 

 

アリタリア機に搭乗する (シチリア パレルモ空港にて)

 

A荷物の機内持ち込みに着いて

私は、基本的には荷物を預けることはせず、機内に持ち込んでいる。「ロストバッゲージ」を避けるためと、到着してすぐに行動に移りたいからである。(特に夕方〜夜にヨーロッパに着く場合、治安や宿探しのことを考えると少しでも早く市内に入りたい)

機内持ち込みにはサイズと重量による制限があると思うが、かつて50ℓのザックで出かけていたときもこの理由で引っかかったことはない。ただ、欧米人バックパッカーが持つフレームザックは、あれは駄目なのではないかと思われる。

9.11テロ以来、保安面のコントロールが厳しくなっていることには注意したい。私に関係あるのは、まずワインの栓抜き。一時期空港で取り上げられたりしていたが、現在は問題ないようである。今回(2007年4月)失敗したのは、帰国便へのワインの持ち込み。空港の免税店で売っているワインは非常に高価である。市内のスーパーで数ユーロで手に入るものに何十ユーロも払うのは馬鹿馬鹿しいので(もちろん同じ銘柄ではないけれども)、出発直前に市内で調達して空港に向かうことにしている。今まではそれでなんでもなかったが、今回例の液体のコントロールに引っかかった。あれはシャンプーの類の物品のことだと思いこんでいて、迂闊にもワインと結び付けられませんでした。話がつけば、ザックをチェックインして出国審査をやり直し、事なきを得たのですが、にこりともしない係員の厳しい尋問には参りました。

 

 

Bひょっとしたらの僥倖・・・ファーストクラス体験記

最後はオマケで、こんなこともありましたという話

昨年ローマから帰国したとき、出発が8時間の遅延となって、これはこれで心臓に悪かったのですが、カウンターに詰め寄ったりざわざわしている内に、係りが私のボーディングパスの交換を申し出た。なんだなんだと思ってよく見ると、それはマニフィカクラス(アリタリアのファーストクラス)の席であることを示していた。(これは私が特別うるさく文句を言っていたということでは全くない)

生まれて初めてのファーストクラス体験の感想は、こんなに快適に移動する人達がいたのだな、というもの。座席が180度水平になるのは、実際やってみると驚愕体験。エコノミーしか知らない私を珍しがらせたのが機内食。テーブルに白いクロスがかけられ、アペリティフから始まって通常のレストランのように一皿ずつ出される。ワインもリストから選べて、好きなように飲める。年配のスチュワードがいかにも給仕然とした容貌と格好でワインを注いでくれるのがなんだか楽しかったですね。食べて横になって、目が覚めれば到着間近、なんとありがたいことかと思いました。

 

以上の経験が頭の隅にあって、今回日本を発つ便で、半ば意図的に一番最後にチェックインしてみました。すると予感が当たり、エコノミーが満席なのでビジネスクラスへどうぞのお言葉。ファーストクラスではないにしろ立て続けの僥倖となりました。以上はそれだけの話で、特に帰国便では決して真似をしてはいけません。今回の件も、事実としては要するにオーバーブッキングをやらかしたということであって油断は禁物。僥倖はあくまでも僥倖。私は多分、一生分を使い果たしてしまったのでしょう。

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