ボルドー

(データ:1984年2月)

大時計塔

◇日本の町、ヨーロッパの町

列車を下りて駅頭に立った時、あるいは町を歩き出したとき、この町は良さそうだという予感に興奮してくることがある。こういう出会いしたさに旅を続けているようなものである。ところが、日本の地方都市がこういう機会を与えてくれることは滅多に無い。何でもかんでも画一的に整備してしまうからで、特に県庁所在地の駅頭光景など当てものクイズにできると思う位だ。

そういうことが無いのがヨーロッパの町のよさである。時間を置いて再訪しても記憶通りの町がそこにあってほっとする、というのもまま体験することである。

ところがどうもボルドーの町を歩いていると、古いものは町に点在するモニュメントに過ぎず、それらは生活から切り離されたものであり、日本の地方都市のあり方と同様のものを感じた。

駅から町の中心まで少し距離があり、果たして重いザックにへばりながらも歩いてゆく価値があったかどうか。まあ、ワインの産地として高名なボルドーであるから、近郊の田園風景に価値があるのかもしれないが…

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