(2007フランス)

リール

ドゴール将軍広場

中央、彩色された建物は旧株式取引所

 

◇アクセス(その2)

州都とはいえ平凡な田舎町であったリールにTGVが通り、ユーロスターが通ることになって出来た新駅がその名もリール・ヨーロッパ。よくつけられたものだと思うが、意気込みの伝わってくる命名ではある。旧駅もリール・フランドルという堂々とした名称。

両駅の移動は、EURALLILEという巨大商業施設の横を通って徒歩10分ほど。旧駅の方が町の中心に近い。

 

◇リールの町について

交通の便が良ければ人も集まってくるようで活気のある町であるが、旅行者としては中継点にしかならない町と思われた。フランドル駅を出て左前方少し行ったところに姿の良いゴシック教会があるが、どうも歩くに足る旧市街は残っていないようである。町の中心はドゴール将軍広場。大きな広場を旧株式取引所などいくつかの建物で仕切って二つに分けたような形をしている。

 

◇宿について

フランドル駅を出て左手、(ヨーロッパ駅と逆の方向)に歩いていくといくつか安宿が並んでいる。シングルルーム30ユーロ台から。

◇アクセス

パリから220kmの距離にあるが、TGVに乗れば1時間余りで到着する。ベルギー方面はトゥルネー30分、ゲント1時間。ユーロスターはロンドン3時間。

 

◇TGV開通の影響

ルート情報「ParisKortrijkBrugge」で予告致したレポートを少々。

Tourcoingは下車しなかったので、流れる車窓から「ルート情報」載せたrailcarのホームをかろうじて見るしかできなかったが、驚ろかされたのはLILLEというこの町の突如の出現。

TGV開通前は、そう観光的に特別な魅力を持つでもないこの町を意識した旅行者は多くなかったと思う。90年版のCOOKを開いてみると、リールはパリからベルギーに向かう一本のマイナールート上にある都市に過ぎない(「Paris-Kortrijk-Brugge」はブルージュに至るこのルートをとりあげたもので、ローカルルート発掘の意識で書いているわけですね)ということが分かる。ところが現在はTGVの営業開始やユーロトンネル(パリーロンドン間の高速列車が通る)の開通により、鉄道網上、リールは重要な中継点になった。パリ北駅から出る長距離列車は大概リールに止まるのではないか。

逆にかつてのパリーブリュッセル間のメインルートは置き去りにされた格好。国境越えの区間は特にひどく、134往復。COOKでは『minor border crossings』としてページの隅にまとめて簡単に記されるのみ。今回ベルギーからパリに戻るにあたり、リール経由ではない戻り方をしつこく検討したのだが、時間のロスが多さに断念。諦めさせるように出来ているところがまた腹立たしい。

日本の新幹線も同じだが、高速列車が通ると在来線のダイヤがずたずたにされる。今年(2007年)TGVはストラスブールまで行くそうで、また何かが失われると懸念される。

 

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