インバネス

(データ:19827月、198612)

◇緯度の高さ

さすがにここまで来れば日本との違いを実感する。

夏は、夜11時位まで明るい。YHで夜半目を覚ますと東の窓がだいだい色に染まっていて、時計を見ると夜中の2時半なのであった。田舎は安全なので、その気になれば、一日何時間でも有効に使える。逆に冬は暗い。まあ真っ暗な朝9時に朝食を食べるのもそれなりの風情があって、これはこれで楽しめます。

もう一つ、日陰と日向とで体感気温が全然違うことを体験する。当時の日記には、日向で寝ていると暑くて気が狂いそうになるが、日陰では寒くて耐えられない。とある。なにを大げさなという感じだが、アテネ五輪のレポーターが口々に驚きを表現していたように、これはそういうことなのである。

湿度低く、空気が澄んでいるから夕焼けもきれい。(写真上)

 

◇宿について

BB多数。1982年に泊まったCulduthel通り3番のMr.&Mrs.G.A.E.Bairdさんのお宅はとても親切で家庭的でB&Bの鑑のような宿(B&B5ポンド)であったが、1986年冬には看板を下ろしていた。(冬季休業だった可能性もある)

YHもある。満員で、annexがあると教えられたのが、川を渡って細い道に入っていった先、教会の様な建物のホールに2段ベッドを30も持ち込んだsleep innなのであった。それでも宿泊スタンプは押すし、YH duty(私は入り口の掃除が割り当てられた)も課される。一泊1.7ポンドであった。思いがけない展開に流されてゆくことは旅の愉しみの一つである。

◇アクセス

 エディンバラまで来てそこで引き返すのは、札幌を訪れて北海道を知ったと満足する様なもので、ここはHigh Landsに分け入りたい。インバネス迄Perth経由の直行ルートは4時間ほど。荒涼とした車窓風景良し。もう一つ、Aberdeen経由の迂回ルートがある。Cookのテーブルを見ていると北辺を通る感じがいかにも良さそうで、行って見たのだが、丸一日かける価値があったかどうか。鉄道ファン、辺境ファンはトライしてみて下さい。

 

◇インバネス

ネス川河畔のとても美しい小都市である。土手や公園の芝生では、たくさんの人が思い思いの格好で寝そべっている。そう大きい町ではなく、ネス川を上流へと歩いていけば川はいくつにも分かれ、やがて自然の中にいる自分に気付く。川面に影を落とす木々の姿、ネス川のたゆやかな流れ、スコットランドを実感して幸せな気分。(写真下)

 

◇ネス湖

インバネスはネス湖に臨む町である。夏場は、ネス湖一周のバスツアーや、遊覧船が出る。スコットランドを訪れる人は基本的に自然好き、アウトドア派であり、大勢の訪問客のニーズを満たすべく、各種ツアーが企画されている。関心あるなら是非iに相談するべき。掘り出し物に当たるかもしれない。

 

川は流れて

 

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