アルジェ(カスバ)

(データ:1989年9月)

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『確かに道は迷路で、建物の下をトンネルのようにくぐるところあり、行き止まりあり、道を歩いている積りがいつのまにかそのまま建物の中に入っていて暗闇となって引き返さざるを得ないところもありで面白い。貧民窟というのは当たっているが、犯罪の温床と言うには雰囲気は明るい。子供が多く遊んでいて、声がかかる』

 

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上り切って振り向けばアルジェの港が見える。斜面であるから方向を失うことはな少々迷っても不安感は少ない。

 

 

『カスバに入る。先日と同じようにからかわれ、同じように汚く臭い路地を歩きまわる。猫がネズミを咥えてうろうろしており、子供達は面白がってわぁと逃げ、大人は追っ払っていた。ごちゃごちゃしたカスバの良さは感じるが、どこにでもからかってくる連中がいるから落ち着けない』

 

                                                 

 

 

アルジェといえばカスバ。

当時の「歩き方」の遊びコラムには、

『モロッコでは観光名所、アルジェリアではただの貧民窟』

とあった。

何かをするという場所ではなく、

そこに立ち、歩くこと自体がカスバ体験なので、

ここでは写真と旅日記で雰囲気を伝えたいと思います。

 

 

カスバはマルチール広場から急激に立ち上がる丘の斜面に

へばりついている。したがって、

せっせと階段や坂道を上ることになる。

私はケチャウモスク左手の階段から入って行った。

 

 

 

 

 

 

『一言で言うと、ひたすら貧しく汚い。当然清掃車というのは入れない訳で、誰がいつゴミを片付けるのだろうか。路地にはゴミが散乱し、ハエがたかっている。両側はかなり高い(4〜5階建て)建物で、2階、3階と道に張り出すような格好で、丸太の支えが施されている。それ故日光が射しにくく、一層怪しげな雰囲気を作り出している』

 

 

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『子供らには笑顔を返してやればいいのだが、うっとおしいのはたむろしている若い連中で、シノワ!ジャポネ!とからかってくる。一度、写真を撮るのに良いのがあるぞという手振りをしてきた時、応じようとしたら近くの石段に腰を下ろしていたおじさんが、何でもないよと首を横に振り、行け行けと手まねで示した。』

 

 

 

路地の底の暗さと、外光の明るさが対照的

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